核兵器の使用は、第二次世界大戦末期に日本で使用されて以来、常に是非が議論されてきた。写真は1946年にビキニ環礁で行われた核実験のキノコ雲
Keystone
スイス連邦議会は、国連の核兵器禁止条約を批准し、承認に向けて論議するようスイス連邦内閣に求めた。
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上院は12日、下院に続き、核兵器禁止条約に署名しないとした内閣の今年8月の決定を却下するよう要求した。
賛成派は、条約に批准しないことで、スイスは国際社会に否定的なイメージを与え、人道擁護の模範としての信頼性を損なうと主張。
それに対し反対派は、この条約は象徴的な意味しか持たず、核のない世界を促進する起爆剤にはならないとする。
一方、イグナツィオ・カシス外相は、批准の拒否がスイスの人道的伝統を危険にさらすことはないとする。また、国連条約は大陸の治安情勢を弱体化させたとし、同条約は安全保障政策のリスクになると大半の欧州諸国から批判が出ているとも述べる。
政府は8月に、核兵器禁止条約に現時点では署名しない方針を決定したと発表していた。
核兵器禁止条約の発行には、少なくとも50カ国の批准が必要。批准した国は、核兵器の開発、試験、生産、取得、保有、備蓄、使用、または威嚇(いかく)目的の使用が禁止される。また、この条約は締約国の領土への核兵器の配備や、禁止されている活動に関係する他国への援助を禁じる。
これまで67カ国が条約を承認し、19カ国が批准している。
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