ホモセクシャルのスイッチ

スイッチを入れたり切ったりするように、ホモセクシャルになったり異性に引き付けられたり alimdi.net

ホモセクシャルなハエは、いるのか?脳内で起こる化学反応を操作することで性行動に影響を与えられることが、ローザンヌ大学のイエール・グロスジャン教授の研究で解明された。

このコンテンツは 2008/01/02 15:25

遺伝子操作と薬によりハエの一種のミバエを、ホモセクシャルにしたり、異性に引き付けられるようにしたりすることに成功した。

「『性無条件遺伝子』を操作することにより、オスのハエの成虫が、急に同性のハエに興味を持つようになることが判明しました」とグロスジャン氏は説明する。この研究の結果は米科学誌、ネイチャー・ニューロサイエンス1月号で発表される。これは人間を含む動物の性的魅力と性的行動を認識するカギの発見につながるかもしれない。

性無条件遺伝子

「われわれの研究結果により、性的行動の中でも、性の対象となる相手を認識する能力は、動物の進化による結果ではないことが判明しました。性的行動はスイッチを入れたり切ったりするように操作できます。この操作は虫のほか、動物でも可能です」

ジャングロス氏の研究が注目しているのは、「性無条件遺伝子」の存在だ。神経細胞を動かすために必要なグルタミン酸塩を運ぶ役目をする。性無条件遺伝子を操作すると、驚くことに、オスが他のオスに求愛し始めたという。

スイッチ1つで変わる性嗜好

まだ解明されていないのは、オスの脳がオスらしい行動を指示し、メスの脳がメスらしい行動を指示する仕組みだ。
「これまでの研究から言うと、遺伝子操作を加えた性無条件遺伝子の亜種は、グルタミン酸塩を受けるシナプス ( 細胞どうしの連結部 ) に異変が起きたため、ホモセクシャルな行動を起こすと見られます」
とジャングロス氏の同僚でイリノイ大学のデーヴィット・フィーザーストーン教授は説明する。シナプスは細胞と神経を結びつける働きがあり、これにより例えば筋肉が動くようになる。
「ホモセクシャルな行動は性的に異常に刺激されたために起こることも考えられる」
とフィーザーストーン氏は指摘する。

この論理を確かめるため、シナプスの遺伝子を、薬を使うなどして操作してみた。案の定ミバエは、ホモセクシャルな行動をし始めた。また元に戻る操作をすると「正常」になった。ミバエの性行動はまさに、スイッチを入れたり切られたりされたかのように、その性的対象を切り変えたのである。

同性回路と異性回路

ハエの成虫の脳には2つの回路があると見られる。1つは異性に引き付けられる回路で、もう1つはホモセクシャルな行動をする回路だ。性無条件遺伝子がグルタミン酸塩を受けるシナプスの働きを停止させると、ホモセクシャルな行動を行う回路が止まる。
人の行動はミバエより数倍も複雑であることは、ジャングロス氏も認めるが、ミバエで得た論理が応用できると確信するという。

swissinfo、トマス・ステフェンス 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 訳

動物の性行動

最新の研究によると、51種の動物がホモセクシャルな行動をすることが分かっている。ホモセクシャルな行動には1500以上の様式があるが、このうち500が詳細にわたって記録されている。
1999年にはペンギンでホモセクシャルな関係にあったシロとロイが話題となった。シロとロイは、片方がメスのペンギンに興味を示し始めるまで、2頭で子どもを養子にして育てていた。一部の研究者は人間のホモセクシャル性と同じだと見るが、これら2頭のペンギンの幼児性による行動だという意見もある。

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