スイスの医薬品承認機関は英アストラゼネカ製コロナワクチンに関する臨床試験データを現在審査している
Copyright 2021 The Associated Press. All Rights Reserved
スイスの医薬品承認機関スイスメディック(Swissmedic)は、審査中の英アストラゼネカ製新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、承認に十分な確固たる臨床試験データがまだそろっていないと語った。同ワクチンは、各国で血栓の発症例が報告されている。
このコンテンツが公開されたのは、
スイスメディックはこれまで米ファイザー/独ビオンテック製、米モデルナ製の2つのワクチンを承認済み。同機関のライムンド・ブルーヒン局長は18日、国内メディアCHグループに対し、これらのワクチンは多数が関与した研究から決定的な結果が得られたため承認に至ったが、アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンはその限りではない、と語った。
ただ、同ワクチンの品質が劣悪だという意味ではないと述べ、「優れたワクチンであることを、会社側がまだ証明できていないと言っているだけだ」とした。
スイスメディックは最近、アストラゼネカから大量のデータを受け取り、現在審査中。製造元と定期的に連絡を取り合っているという。
英国などでは、アストラゼネカ製ワクチンの投与を約3カ月前に開始。ただ最近、接種後に血栓を発症するケースが報告されたことを受け、複数の国が接種を停止した。欧州医薬品庁(EMA)は、同ワクチンがもたらす利点はリスクを大幅に上回ると強調。血栓の症例調査に関するレポートを18日に出す予定だ。
スイスは、製造元5社に3500万回分超のコロナワクチンを発注。昨年末から国内でワクチン接種を開始した。これまでに人口の約4%が接種を受けたが、承認と供給の遅れにより、接種計画が思うように進んでいない。
おすすめの記事
知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
このコンテンツが公開されたのは、
ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。
もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
おすすめの記事
スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
このコンテンツが公開されたのは、
米国がスイスに課す39%の「相互関税」をめぐり、スイス政府は4日、米国との協議を続け「より魅力的な提案をする」と表明した。
もっと読む スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
おすすめの記事
トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
このコンテンツが公開されたのは、
米国はスイスに課す相互関税率を39%と発表。スイス政府は「大変遺憾に思う」と表明した。
もっと読む トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
おすすめの記事
スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。
もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
おすすめの記事
温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。
もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
おすすめの記事
アルプスに新しい巨大地上絵が登場
このコンテンツが公開されたのは、
世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。
もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
おすすめの記事
スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。
もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
続きを読む
おすすめの記事
ロンザと米企業、点鼻スプレー式コロナワクチン製造で提携拡大
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのバイオ医薬大手ロンザは、米企業アルティミューン(Altimmune)が開発する点鼻スプレー式新型コロナウイルス感染症ワクチン候補「AdCOVID」の供給に、米テキサス州ヒューストン近郊にある同社工場の専用施設を割り当てると発表した。
もっと読む ロンザと米企業、点鼻スプレー式コロナワクチン製造で提携拡大
おすすめの記事
なぜ裕福な国スイスでワクチンが不足しているのか?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは今、16種類の主要ワクチンが在庫不足に陥っており、医師たちは対応に迫られている。世界で最も裕福な国の一つに数えられるスイスが陥ったワクチン在庫不足の原因、そしてこれまでの国の対策について探った。
もっと読む なぜ裕福な国スイスでワクチンが不足しているのか?
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
スイス モデルナ製ワクチンの新製造工場を承認
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの医薬品承認機関スイスメディック(Swissmedic)は、米モデルナ製の新型コロナウイルス感染症ワクチン原薬を生産しているバイオ医薬大手ロンザに対し、新たな製造拠点の申請を承認した。
もっと読む スイス モデルナ製ワクチンの新製造工場を承認
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。