バーゼル市警察が導入したテスラのパトカー「X100D」
© Keystone / Georgios Kefalas
スイス・バーゼル市警察に、新型テスラ電気自動車のパトカー2台が新たに配備された。だが、この車の購入とデータ保護をめぐり、様々な問題が浮上している。
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バーゼル・シュタット準州の司法警察省は26日外部リンク、注文した7台のうち2台は準備ができており、警察官も所要の訓練を終えたと述べた。
州の情報保護を担当するベアト・ルディン氏は、テスラ車の事前チェックを完了し、8つの勧告をまとめた報告書外部リンクを警察に送付した。同氏はこの中で、テスラのSIMカードをスイス製のものに変えることを提言している。
同氏は当初、データ保護の問題が解決されるまでテスラ車を使用すべきではないと訴えていた。同氏は26日に出した声明で、8つの勧告が採用されれば、テスラ車の使用に異議はないと述べた。
相次ぐ批判
バーゼル市警察は2018年3月、緊急車両として7台のテスラ車を注文したと発表した。購入費は14万フラン(約1540万円)で、既存のパトカーよりはるかに高額だったため、一部の地元議員らから批判が上がっていた。
これに対し警察は、テスラ車を導入することで燃料費と維持費が減り、環境への影響も少なくなるとメリットを訴えた。
注文した車両の一部が到着した直後の昨年12月、今度はデータ保護の問題が浮上した。テスラ車搭載の人工知能システムは、車両の位置などのデータを送信する。警察は、このデータ漏洩のリスクについて適切な調査を行わなかったとして強く批判された。
さらに今年2月、州議会委員会は、車両が正規の入札規則を守らず「違法に」購入されたものとする決定を出し、再び批判の的になった。
注文した7台のうち3台が納車済み。 1台は予備として保管される。残りの4台は今年末までに到着予定という。
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