Keystone-SDA
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦材料科学技術研究所(Empa)が9日発表した。この「生きた」バッテリーは発電量こそ多くないものの、遠隔地のセンサーなどに電力を供給できる。このようなセンサーは、農業や環境研究に使われている。
厳密に言えば、このキノコ電池は微生物燃料電池と呼ばれるもの。種類の異なる菌類の代謝を利用して発電する。負極で酵母菌に糖分を与え、この栄養を処理する際に電子が放出される。反対側では白色腐朽菌が酵素を生成し、電子を捕獲して細胞外に導出する。
バッテリー製造は3Dプリンターを使う。キノコの細胞は印刷インクに混ぜる。電池が乾いていると電気は発生しない。水と栄養素を加えることで活性化する。
生分解性
キノコ電池の最大の利点は、従来の電池と異なり完全無害であるだけでなく、生分解性であることだ。
カロリーナ・レイエス氏ら研究チームは、科学誌ACS Sustainable Chemistry & Engineeringにこの電池に関する論文を発表した。研究者たちは現在、キノコ電池をより効率的で耐久性のあるものにしたいと考えている。また、電気を供給するのに適した他の種類のキノコも探したいという。
英語からのDeepL翻訳:宇田薫
おすすめの記事
温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。
もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
おすすめの記事
アルプスに新しい巨大地上絵が登場
このコンテンツが公開されたのは、
世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。
もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
おすすめの記事
スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。
もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
続きを読む
おすすめの記事
中国の太陽光発電支配は「各国にクリーン技術を導入させる原動力に」
このコンテンツが公開されたのは、
中国の巨大太陽電池産業との激しい競争の中で、欧州企業が苦戦を強いられている。スイスの太陽エネルギー専門家クリストフ・バリフ氏に、中国の太陽光発電の覇権をめぐる現行の課題や可能性について話を聞いた。
もっと読む 中国の太陽光発電支配は「各国にクリーン技術を導入させる原動力に」
おすすめの記事
線路で太陽光発電 スイス運輸省が試験プロジェクトを承認
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省交通局(BAV)は、スイス西部で鉄道線路用の「着脱式」太陽光パネルシステムを設置する3年間の試験プロジェクトを承認した。世界初となるこのシステム技術は、国外からも高い関心を集めている。
もっと読む 線路で太陽光発電 スイス運輸省が試験プロジェクトを承認
おすすめの記事
世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。
もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
おすすめの記事
スイス・ヴァレー州、アルプス太陽光発電所の建設前倒しを住民投票で否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ヴァレー(ヴァリス)州は10日の住民投票で、アルプスへの巨大太陽光発電所の建設手続きを迅速化する州法案を反対票53.94%で否決した。連邦政府の掲げる太陽光促進計画も腰折れする可能性がある。
もっと読む スイス・ヴァレー州、アルプス太陽光発電所の建設前倒しを住民投票で否決
おすすめの記事
スイス運輸省、線路で太陽光発電の試験導入を承認せず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省交通局(BAV)は、スイスのスタートアップによる世界初の線路用「着脱式」太陽光パネルシステムの試験計画を却下した。
もっと読む スイス運輸省、線路で太陽光発電の試験導入を承認せず
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。