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さかなのボートでグリンデルワルトから愛知万博へ

自宅の近くにあるトゥーン湖でボートを浮かべて安全性の試験をした。(写真中島正晃さん提供)

アイガーが真正面に見えるグリンデルワルトのホテル・ベラリーの経営者である中島正晃(せいこう)さん(70歳)が11月20日、スペインのバルセローナ港から横浜港に向けてボートで航海に出発する。

写真家でもある中島さんは1968年にスイス人女性フレーニさんとめぐり合い結婚。フレーニさんの家族が経営し、文豪へルマン・ヘッセも宿泊したという110年の伝統あるホテルを継ぐことになった。しかし、生まれ故郷の鹿児島の海が好きで、趣味のヨットを通して海と親しんできた。

60歳の時、つまり、いまからちょうど10年前には、スイス北部のバーゼルからライン川を下り、ニューヨークまでを8ヶ月かけて小型のボートで走破した。この黄色いボートは現在、ルツェルンの交通博物館に常時展示されている。来年3月に開催される愛知万博のスイス館での展示も予定されている。

人と同じことはしたくない

 今回の航海のために作られたボート「Why not?」号は、長さ6メートル、幅1.2メートルで赤いさかなの形をしている。10年前の黄色いボートよりコンパクトに仕上がった。渡航費用は総額でおよそ500万円。形がユニークなため、人件費など10年前よりコストはかかったが、在日スイス観光局などの援助も得ることができた。

 これで、バルセローナからバレンシア、ジブラルタルまで行き、大西洋に出る。カリブ諸島で大晦日を迎えるという。その後のルートは「パナマ運河を通り、ガラパゴス諸島にも寄るよ。メキシコではアカプルコで昼寝をし、サンフランシスコのゴールデンゲートも見たい。その後、ハワイに寄って、横浜港に着くのは6月初旬を見ている」と中島さんの計画はゆったりと壮大だ。横浜港からは陸路で、愛知万博まで行く。

 ボートがさかなの形をしているのは「そもそも僕は、人と同じことをするのが嫌い。さかなの形をしていれば、海も僕を迎え入れてくれるだろうから」。尾ひれを前にして進むボートは、波でひっくり返っても必ず元に起き上がれるよう設計されている。「救命ボートなど持たない。僕のボートが一番安全」と、中島さんのボートへの信頼は揺るがない。

闇の中で一人ぼっち

 ボートが小さいので所持品も限られる。食糧は栄養価の高いカボチャの種、ヒマワリの種、ゴマ、大豆、麦など。中島さんの言う「鳥の餌」は、1日の必要な量をきちんと測ることなどせず、目安で持って行く。水は海水を真水に浄化して使う。ボートにはガソリンだけで動く4ストロークのエンジンを搭載している。ガソリンは各港で補充するが、およその量を計るだけ。「10年前も、ニューヨークに着いた時、どのくらい燃料が残っていたかなど、気にしなかった。ぼくは大まかな人間だから」という。

 一方で、一人ぼっちの航海が怖いと感じていることも否定しない。小さなボートでも、大海原に出ることはさほど危険ではないと断言する中島さんだが、前回ローヌ川で経験したしけは怖かった。「川なので波は激しく上下する。小さな波はとても怖い」と言う。

 海が荒れることのほか、最も怖いのはまったく光が届かない海上での闇という。1時間以上は続けて眠ることが許されない航海の最中に疲れが溜ったりすると、突然あるはずのない岩壁が目の前に現れたり、波が大蛇にみえるなどの幻覚を見たこともある。

孤独になることの大切さ

 「僕は冒険家でもなんでもない。僕の人生の延長線に航海はある」。中島さんは航海では独りになることを求めている。だから、本もラジオも持って行かない。ボートの上では特に孤独や寂しさという感覚を大切にしたいからだ。

 来年6月2日には横浜港に入港する予定だ。そこには、中島さんと同年代の5人のサポーターが、ボートの上では使えなかったライターで愛用のパイプに火をつけて上陸してくるであろう中島さんを心待ちにしているはずだ。

スイス国際放送 グリンデルワルトにて 佐藤夕美 (さとうゆうみ)

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中島正晃を支援する会
〒162-0065東京都新宿区住吉町2-18-907
株式会社 タップクリエート内
船田宗康
電話+81-03-3341-1636
ファクス +81-3341-1687
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