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アルプスのトンネル事故多発で防止対策を迫られる各国政府

ロイエンベルガー運輸相はアルプスを通過する物量は制限されるべきだと提案した

(Keystone)

アルプスのトンネル火災事故は少なくない。1999年にはモンブラン・トンネルで、2000年には日本人を含む155人が犠牲となったオーストリアのスキーリゾートで、2001年にはスイスのゴッタルド・トンネルで火災事故が起き、トンネルが一時閉鎖された。

このような事故の発生を防ぐため、2001年、スイスはアルプス山脈に国境を持つ六カ国の運輸相が安全対策を討議するよう提案し、以来、定期的に会合が開かれている。

 今年は11月14日にスイスで開かれ、フランス、ドイツ、オーストリア、イタリア、スロベニア、スイスの六カ国の運輸相がグラウビュンデン郊外に集まって討議を重ねた。

増加する交通量に懸念

 スイスのモリッツ・ロイエンベルガー運輸相はこの会合で、「交通量の増加で安全性に懸念がある」との調査結果を発表し、アルプスを通過する物量に制限を設けるべきだと提案した。

 そもそもこの考えは2001年にゴッタルト・トンネルで火災事故が起きた時に、「アルプス環境イニシアチブ」と呼ばれるグループが呼びかけたものだ。

 これを実現するため、同運輸相は、運べる量の権利をオークションにかけて企業に売るか、時間制にするか、という二つの方法を各国に提示した。各国の運輸相はこれを一度国に持ち帰って検討することで合意した。

合意まではまだ遠い道のり

 しかしEUの運輸委員会エンリコ・グリリョ代表は、このような規制は自由な移動を保障するEUの条例に矛盾すると指摘している。しかし、「それでもEU議会はこの提案を議論する」と発言した。

 各国運輸相は、このような事故はトンネルに限らずどこでも起きる可能性があるとし、二度とこのような事故が起こらないよう、頻繁な情報交換と予防対策が必要だということで意見が一致した。この予防対策には、物量制限だけではなく、トラック運転手の追加訓練なども含まれる。

 スイスはEUの決定を待たず、各国に先駆けて、トンネルを通過する現在の物量を減らすため、ゴッタルドとレッチベルクで新しいトンネルの建設を始めている。これが完成すれば時間も大幅に短縮される予定だ。特に2012年に完成予定のゴッタルドのトンネルは、57kmもの長さになり日本の青函トンネルを抜いて世界で最長となる。

 次回のアルプス運輸相定期会議は2006年、フランスで行われる。ここでは今回提案された二つの方法以外の道も探られる予定だ。

swissinfo、外電 遊佐弘美(ゆさひろみ)意訳

キーワード

2001年のゴッタルド・トンネルでの火災事故をきっかけに、スイスの提案で各国の運輸相が安全対策のための定期会合を開いている。

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