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クリプトリークスだけじゃない スイスを震撼させた8つの「スパイ事件」

准将

ジャン・ルイ・ジャンメール准将の事件は1970年代のスイスに大きな衝撃を与えた

(Keystone / Str)

米独の情報機関がスイス製暗号機器を使って世界各国の機密情報を秘密裏に収集していたというスキャンダルが浮上した。スイスが絡むスパイ事件は、これが初めてではない。

ロシア人エージェント

2018年、2人のロシア人エージェントがオランダで逮捕された。2人がスイス中西部ベルン州のシュピーツという町に向かう途中なのは明らかだった。英南部ソールズベリーで起きたロシアの元スパイに対する毒殺未遂事件をめぐり、使用された薬物を調査していたのがシュピーツにある核・生物・化学兵器防衛研究所他のサイトへだったからだ。スイス連邦情報機関(FIS)はこの逮捕劇に一役買っていた。「スイスの極めて重要なインフラに対する違法行為の阻止するため」だったという。

製造国はどこか スイスの研究所が元スパイ暗殺未遂へのロシアの関与を反証?

英国で起きた元スパイら殺人未遂事件をめぐり、ロシアのラブロフ外相は14日、使用された薬物はソ連やロシアで作製されたことはないとするスイスのシュピーツ研究所の研究結果を明らかにした。同研究所はコメントを控えている。

このコンテンツは2018/04/16 16:00に配信されました

ダニエル・M

2017年11月、独フランクフルトの裁判所は、スイスの元警察官で治安の専門家、また私立探偵のダニエル・M氏に対し、独ノルトライン・ヴェストファーレン州の独税務当局に対するスパイ行為の罪で有罪判決を下した。判決は、執行猶予付きの懲役22カ月、罰金4万ユーロ(約500万円)だった。

諜報活動 ドイツ当局、スイスシークレットサービス幹部の捜査を打ち切り スパイの証拠見つからず

ドイツ当局は、スイス連邦情報機関のパウル・ツィンニカー副長官に対する取調べを終えた。ドイツの税務当局から情報を集めるためにスパイを送ったとの疑惑をかけられていた。

このコンテンツは2018/09/05 10:00に配信されました

ダニエル・M氏はスイス銀行のドイツ人顧客を追跡していた調査官を特定する目的で、税務当局内にスパイを送り込んだ罪で起訴されていた。同氏はFISの依頼で任務を行ったことを認め(FISからは報酬も支払われた)たが、スパイを送り込んだことについては否定した。

銀行員の内部告発

2015年11月、金融大手HSBCスイスの元従業員で、内部告発を行ったエルヴェ・ファルチアニ氏が、スパイ行為の罪で懲役5年の有罪判決を受けた。同氏はIT業界出身のフランス人で、2008年にジュネーブのHSBCのプライベート・バンキング部門で保管されていた顧客情報を盗み、フランス当局に引き渡した。そのデータには約10万6千人分の顧客情報が含まれていたとされ、フランスのクリスティーヌ・ラガルド元財務相からさらに別の国へ渡った。これが俗にいう「ラガルドリスト」だ。ファルシアーニ氏はフランス、その後スペインに逃れた。スペインは2018年、スイス側の身柄引き渡し要求を拒否した。

スイスリークス事件 HSBC巨額脱税ほう助疑惑、スイスの監督能力に批判

英金融大手HSBC銀行のスイス・プライベートバンキング部門が、違法な武器商人などから預かった数百万フラン規模の資産を運用し、また超富裕層に脱税を指南したことなどを示す同行の機密文書が流出した事件で、スイスのメディアは国の監督能力に大きく疑問を投げかけている。 ...

クロード・コヴァシ

次に名前が挙がるのはクロード・コヴァシという人物だ。彼はFISから、ジュネーブ・イスラム・センターのイマーム(礼拝指導者)で要注意人物としてマークされていたハニ・ラマダン氏を内偵するよう依頼を受けた。任務は、センターがイスラム原理主義者のアジトになっているかどうかを調べることだった。2006年、コヴァシ氏はこの情報をメディアに内部告発し、のちにイスラム教に改宗した。コヴァシ氏は13年、42歳で死亡した。

ベラージ事件

2003年、スイス連邦情報機関の元職員ディノ・ベラージ氏は、1994年から1999年にかけて880万フラン(現在のレートで9億6800万円)を不正に横領した罪で懲役6年の有罪判決を受けた。国防省の会計担当だったベラシ氏は、架空の軍事演習をでっちあげて資金を不正に引き出すなどし、詐欺、横領、文書の改ざん、マネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で起訴されていた。

フィシュ・スキャンダル

スイスで最大の政治的危機を引き起こしたのは、1989年に発覚した「フィシュ・スキャンダル」(フィシュは文書ファイルという意味)だ。1900年以来、約90万に上る個人や組織の動向が、連邦警察の監視下に置かれていた。当時の国民20人に1人に上り、うち3人に1人は外国人だった。個々に作成されたファイルには、その人物の「スイス人にあるまじき行動」が記録されていたが、そうした標的のほとんどが政治的左派に属していた。

フィシュ・スキャンダル スイス最大のスキャンダルから30年

今から30年前、スイスは史上最も深刻な政治危機に陥った。いわゆる「フィシュ・スキャンダル」が露呈したのだ。

軍の秘密部隊「P26」

フィシュ・スキャンダルの調査によって明るみになったのは、冷戦時にスイス軍が作った秘密部隊「P26」だ。共産主義の侵略に備え、 スイス軍が1950年代にゲリラ部隊を作ったーというものだ。このスキャンダルは国民から強い批判が起き、P26は1990年に解体された。

スイスの黒い歴史 冷戦時のスイス軍秘密部隊P26、政府が機密文書を公開

冷戦時代、旧ソ連の侵攻に備えてスイスが作った軍の秘密部隊「P26」に関する政府の機密文書「コルニュ・レポート(Cornu Report)」が25日、30年の年月を経て公開された。ただ個人名などは伏せられた。

このコンテンツは2018/04/27 15:24に配信されました

2018年、連邦国防省は30年前にさかのぼるP26の調査で、27の未公開のバインダーやファイルが「見つからなかった」と発表。これに対し、専門家は中立国であるはずのスイスが(非加盟の)北大西洋条約機構(NATO)に近づいていたこと、また他国の情報機関と連携していたという恥ずべき事実を隠すため、破棄したか、故意に紛失したのではないかと批判した。2019年、議会の委員会も、調査の結果、文書の行方は分からなかったと発表した。

ジャンメール事件

1977年、秘密軍事裁判所は、ジャン・ルイ・ジャンメール准将(当時67)に対し、1962~1975年に駐ベルンのソビエト外交官に重要な防衛情報を渡した罪で有罪判決を下した。懲役18年という実刑判決は、平時のスパイ事件でスイス国民に下されたものとしては最も厳しい。ジャンメール氏は刑期の約3分の2を終え、模範囚として保護観察付きで釈放された。

検察官は、ジャンメール氏が「取り返しのつかない損害」を引き起こし、さらには「最も重要な」情報を渡したと断罪した。政府の報告では、ジャンメール氏が売ったのはスイス軍の動員計画だったという。この事件は西ドイツの諜報機関の情報がきっかけで発覚したとされている。


(英語からの翻訳・宇田薫), Keystone-SDA/ts

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