スイスの視点を10言語で

スイス人が見た日本のいま 2018年1月7日から配信

春香クリスティーンさんとパトリック・ロールさん
春香クリスティーンさんとパトリック・ロールさん。都内の公園にて SRF-SWI

スイス公共放送(SRF)で2017年末、日本を特集したドキュメンタリー番組「Fokus Japan(フォーカス・ジャパン)」が計3回にわたって放送された。スイスの元テレビ番組司会者で報道写真家のパトリック・ロールさんが日本全国を回り、食文化や伝統芸能、少子高齢化、沖縄の基地問題など「スイス人が見た日本のいま」を深く掘り下げた。スイスインフォでは全3話を28回(1回につき約5分)に分け、字幕付きで2018年1月7日からオンライン配信する。

以下はSRFの番組情報より。

エキゾチックで刺激的、未知の世界、感性に訴える魅力- 報道写真家のパトリック・ロールさんが旅した日本だ。ロールさんが注目したのは、対照的なものごとや矛盾とも思えるものごとだ。日本人は伝統と現代、ハイテクと宗教といったものを、ほとんど当たり前のように見事に調和させている。

日本には目に見える生活と目に見えない生活があり、表向きの生活とプライベートな生活がある。フレンドリーな人々のメンタリティーも社会ルールもスイスとはまったく異なり、察する力が求められることも度々だ。ロールさんはそんな日本の暮らしを探訪。日本人の日常や物の考え方により近づくことで、人々の笑みの裏側をのぞき込もうとした。

活気あふれる大都市、東京

まず東京でロールさんは、大都市ならではの出会いを体験する。スイス人を母親に持ち、日本でタレントとして活躍中の春香クリスティーンさん、モデルになる日を夢見る魚屋の至庸(ゆきのぶ)さん、過酷なサラリーマンからバーのマスターに転身した由郷(ゆうごう)さん、ポップミュージック界に野心を操られる女子バンドの仮面女子…。

その後、2011年の津波で大きな被害を受けた太平洋沿岸の町、女川を訪れる。地元の漁師からは、自然とともに生きる生活と自然の破壊力を学んだ。合気道の道場では日本闘技の哲学に触れ、厳しい禅寺では僧侶の意外な生命力を感じ取り、警策(きょうさく)で打たれたりもした。とあるシングルバーでは、ますます個人主義に傾倒しつつある若い世代の閉鎖的な思考や感情の世界を覗き見た。

長寿の秘密

ロールさんの驚きは絶えることがない。新幹線で体験した効率の良さ、能に全身全霊を傾ける職人や能楽師、独特の食文化、そして日本の象徴ともいえる富士山の荘厳な眺め。

亜熱帯気候の楽園の島、沖縄と石垣では日本人の長寿の秘密や第二次世界大戦の負の遺産に迫る。また、簡素な生活の中に安らぎを見いだし、ボート作りに励むほがらかな男性とシュノーケリングで水中世界を体験した。

現在49歳のロールさんは15年間、スイス公共放送の制作局に勤め、司会者としても数々の番組で活躍した。10年前に独立し、現在は報道写真家としても活動。写真家として、またジャーナリストとして、社会的なつながりに関心を持つ。NGOやNPOのための撮影が多いが、自身のプロジェクトでウクライナの戦地などさまざまな国にも赴いている。

今回のドキュメンタリー番組「DOK」の旅をもとに、写真とテキスト入りの書籍を出版。彼の目を通じた日本の生活や文化を紹介している。

(「番組の紹介」独語からの翻訳・小山千早)

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部