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ヨゼフ・ダイス氏 世界の協調を訴える

国連の第65回総会で議長に就任したジョセフ・ダイス氏 ( 中央 ) Keystone

スイスの元大統領及び元閣僚のヨゼフ・ダイス氏 が、9月14日開幕した第65回国連総会で議長に就任した。

ダイス氏は就任演説で、「ミレニアム開発目標 ( MDGs )」の達成や国連改革、世界の持続的発展と温暖化対策などに向け努力をしていくと述べ、それには国連加盟国の協調が要になると訴えた。

援助を受ける権利

 「世界はゆっくりと経済・金融危機から回復しようとしている。世界がこの危機から学んだことは、多国間関係の重要さだ」
 とダイス氏は演説の冒頭で語った。

 国連 ( UN ) が抱える多くの問題の中で、ダイス氏がまず優先するのはミレニアム開発目標 の達成だ。2015年までに貧困層を半減させることを中心課題に据え、2000年に作られたこの目標に対し
 「貧困、戦争、温暖化、自然災害などで苦しむ世界の人々は、われわれの解決策や援助を受ける権利がある」
 と述べ、経済・金融危機による困難さがあるとはいえ、世界の努力を促した。

 そのほかの課題として、世界の持続的発展と温暖化への闘いを挙げ、さらに国連改革、中でも安全保障理事会の改革を推進したいと語った。

 また、5年前ジュネーブで創設された国連人権理事会 ( UNHRC ) の改革も、自分の任期中に行いたい旨を明らかにした。

相手の意見を聞く

 しかし、国連総会は「グローバルな討論を行う最上位の場」であるにもかかわらず、あまりにしばしば、「無力な機関」であり「具体的な対策を立てないおしゃべりの場」に過ぎなくなることをダイス氏は憂い
 「192の加盟国は自国の利益を超え、『世界共通の幸いなる状態』を達成できるよう努力すべきだ」
 と訴えた。
 
 「そのためには、相手の意見を聞く耳を持つことでお互いを理解し、協調しながら行動に移せるよう体制を整える必要がある」
 と強調した。

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