フランス語圏のスイス公共放送ラジオ・テレビ局RTSで浮上したセクシュアルハラスメント疑惑をめぐる問題で、スイス公共放送は16日、従業員のセクハラ被害を確認したと発表した。加害者2人は懲戒処分を受けた。
このコンテンツが公開されたのは、
RTSのセクハラ疑惑は昨年10月、フランス語圏の日刊紙ル・タンが匿名の情報源を元に報じたことから浮上した。記事はRTSで何年もいじめやセクハラが横行しており、RTSの経営陣と管理職はこうした行為に一貫して目をつぶっていたとされる内容で、スイス公共放送協会(SBC)の理事会はこれを受け、独立した外部機関による調査を開始した。SBCはRTSおよびswissinfo.chの親会社にあたる。
おすすめの記事
おすすめの記事
スイス公共放送でセクハラ問題が浮上、独自調査へ
このコンテンツが公開されたのは、
フランス語圏のスイス公共放送(RTS)で社員のセクシュアルハラスメント疑惑が浮上し、スイス公共放送協会(SRG SSR)が独自に調査を始めた。告発された幹部2人は停職処分を受けた。
もっと読む スイス公共放送でセクハラ問題が浮上、独自調査へ
SBCは16日、調査結果を公表外部リンクし、ハラスメントを行っていたRTSの従業員2人を処分したと発表した。詳細は公表していない。
加害者の1人として告発されたRTSの元著名テレビ司会者ダリウス・ロシュバン氏は、現在フランスの同業他社に転職しているが、処分を受けなかった。ロシュバン氏は告発された当初から一貫して疑惑を否定していた。
批判と反響
セクハラ疑惑をめぐる今回の問題はRTSの経営人事に影響を与えた。RTSテレビ局のTVニュース編集長は退社し、RTSの人事部長は役職を離任する。
前RTSディレクターで現SBC会長のジル・マルシャン氏と現ディレクターのパスカル・クリッタン氏は続投する。しかし理事会は声明外部リンクで、RTSのディレクターを務めていた頃のマルシャン氏について、重大な誤りはなかったものの、「第二次的な監督責任」に「十分な注意を払っていなかった」点を指摘した。クリッタン氏については、特に不正行為がなかったため、措置を講じる必要はないとした。
同理事会はセクハラの被害者に「深い反省と謝罪」を表明すると同時に、調査結果に基づき、従業員の品位を守るための特別措置を講じたと発表した。
これに対しシモネッタ・ソマルーガ通信相は声明外部リンクで、あらゆる形の差別、ハラスメント、いじめを一切容認しない姿勢を示した。SBCは模範となるべきで、「(SBCは)信頼できる企業文化を確保し、再発防止に向け全力を尽くしてほしい」とツイートした。
おすすめの記事
スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。
もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
おすすめの記事
「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。
もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
おすすめの記事
製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大手製薬ノバルティスは22日、2025年で任期満了となるヨルク・ラインハルト取締役会長の後任に、ジョバンニ・カフォリオ氏を選出すると発表した。
もっと読む 製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
おすすめの記事
スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
このコンテンツが公開されたのは、
エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。
もっと読む スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
おすすめの記事
スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)は17日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)の資産を追及する主要7カ国(G7)の国際作業部会には参加しないことを決めた。
もっと読む スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
おすすめの記事
米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
このコンテンツが公開されたのは、
米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。
もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
おすすめの記事
チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒの春祭り「セクセロイテン」が15日開かれた。巨大な「雪男」を燃やして夏の天気を占う恒例行事は強風により中止となった。
もっと読む チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
おすすめの記事
スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。
もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
おすすめの記事
新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州の約2億4200万年前の地層から新種のイカの化石が見つかり、「Chuchichäschtli(クッヒカーシュトリ、スイスドイツ語で『食器棚』)」と名付けられた。
もっと読む 新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
続きを読む
おすすめの記事
ILO総会開幕 職場のセクハラ、男女の賃金格差是正が焦点
このコンテンツが公開されたのは、
国際労働機関(ILO、本部ジュネーブ)の年次総会が10日、スイス・ジュネーブで始まった。スイスのアラン・ベルセ連邦内務相は開会演説で、加盟国が男女の賃金格差是正に向け更なる努力を講じるよう呼び掛けた。総会では職場でのセクハラや暴力を禁止する初めての国際条約が制定される見通しだ。
もっと読む ILO総会開幕 職場のセクハラ、男女の賃金格差是正が焦点
おすすめの記事
セクハラにあったらどうするか
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの職場でセクハラにあったらどうすればいいだろうか?どのような現実的支援や法的手段が存在し、どの程度の効果があるのだろう?スイスインフォは、職場のセクハラに関する社員の権利と会社側の責任について、キーポイントをまとめた。
もっと読む セクハラにあったらどうするか
おすすめの記事
セクハラ問題、スイス大手企業は依然としてタブー
このコンテンツが公開されたのは、
性被害を告発する「#MeToo(「私も」の意)」運動が世界各地に広がった1年前、上層部が優れた指導力をみせた企業がいくつかあった。多国籍企業のイケア・スイスもその一つで、社内行動規範の周知徹底を図り、セクハラがあった場合はそれをオープンにし、独自の主体的プログラムで対応した。
もっと読む セクハラ問題、スイス大手企業は依然としてタブー
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。