欧州に生息する唯一のウナギ、ヨーロッパウナギは絶滅危惧種に指定されている
Keystone
スイス連邦食品安全獣医局外部リンクは、先月スイスの税関で差し押さえられたウナギの稚魚をスイス西部のムルテン湖に放流した。スイス通信が報じた。
このコンテンツが公開されたのは、
ウナギの稚魚はジュネーブ空港で押収され、7人の男性が逮捕された。現在、密漁の規模を特定するための調査が進められている。
発見された約13万匹のウナギの稚魚は、スーツケース6個に入れ違法に輸送中だった。空港ロビーで逮捕された7人の男性はシャン・ドロン刑務所に送られた。
日刊紙トリビューン・ド・ジュネーブが報じたこの事件を受け、チューリヒ空港では同様の密輸に関わった他の2人の逮捕につながった。
チューリヒで逮捕された密輸入者は、ウナギの稚魚11万匹を輸送中だった。専門家によれば、ウナギの稚魚は欧州の象牙と呼ばれているという。
サルガッソ海を起源とするウナギの稚魚は、生後3年経つとメキシコ湾流に乗って北アフリカと欧州の大西洋岸に移動し、淡水河川流域に入る。やがて性成熟に達した個体は再び海に降りてサルガッソ海に向かい、生涯一度きりの産卵を行う。
過去30年間でヨーロッパウナギの約9割が姿を消した
Keystone
ウナギの稚魚はアフリカや欧州の河口で集中的に漁獲されている。稚魚は養殖場に販売されるか、珍味としてアジアに違法に輸出される。
過去30年間で約9割が姿を消したヨーロッパウナギは、絶滅危惧種のレッドリストに指定されている。また、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の附属書Ⅱに掲載され、国際取引が規制されている。
欧州連合(EU)ではヨーロッパウナギの輸出入が固く禁じられている。
おすすめの記事
スイス、子どものSNS利用禁止を検討 影響調査に着手
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは、ティックトックやインスタグラムなどがもたらす弊害から子どもや若者を保護するため、SNSの利用禁止を検討している。
もっと読む スイス、子どものSNS利用禁止を検討 影響調査に着手
おすすめの記事
スイス中銀、フランの買い手から売り手に転じる 2024年報告書
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が18日発表した年次報告書によると、2024年はフランの「買い手」から「売り手」に転じた。インフレ圧力が緩み、フラン安を食い止める必要性が薄れた。
もっと読む スイス中銀、フランの買い手から売り手に転じる 2024年報告書
おすすめの記事
世界の特許出願、中国が首位 日本3位、スイス8位
このコンテンツが公開されたのは、
世界知的所有権機関は17日、昨年の国際特許出願件数の統計を公表した。国別では中国が出願件数の4分の1以上を占め首位を維持し、米国と日本が続いた。スイスは8位だった。
もっと読む 世界の特許出願、中国が首位 日本3位、スイス8位
おすすめの記事
スイスの新国防相にフィスター氏
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府の新大臣に選出されたマルティン・フィスター氏は、4月1日から連邦国防・国民保護・スポーツ省のトップに就任する。
もっと読む スイスの新国防相にフィスター氏
おすすめの記事
マルティン・フィスター氏が新閣僚に当選
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は12日、今月末で辞任するヴィオラ・アムヘルト国防相の後任として、ドイツ語圏ツーク州出身のマルティン・フィスター氏(中央党、61歳)を選出した。
もっと読む マルティン・フィスター氏が新閣僚に当選
おすすめの記事
内陸国スイス、海運世界一に
このコンテンツが公開されたのは、
内陸国スイスが世界海運王者の座をドイツから奪った。コンテナ大手MSCが存在感を高めている。
もっと読む 内陸国スイス、海運世界一に
おすすめの記事
スイスの世界遺産エッシネン湖、予約制を導入
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ベルナーオーバーラント地方の世界遺産エッシネン湖は5月から、麓駅から湖に登るゴンドラに予約制を導入する。観光客を分散させ、待ち時間や混雑の解消を狙う。
もっと読む スイスの世界遺産エッシネン湖、予約制を導入
おすすめの記事
スイス武器輸出、2024年は5%減
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは昨年、政府が承認した6億6470万フラン相当の軍需品を計60カ国に輸出した。前年比で5%減少した。
もっと読む スイス武器輸出、2024年は5%減
おすすめの記事
スイス、シェンゲン域外の訪問者のデータを収集へ
このコンテンツが公開されたのは、
シェンゲン協定域外の旅行者のデータは、スイスを含む加盟国の国境で今後、自動的に記録される。
もっと読む スイス、シェンゲン域外の訪問者のデータを収集へ
おすすめの記事
スイス議会、新聞配達費用の補助金を引き上げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)の委員会は4日、新聞の配達費用の補助金を引き上げる内容の郵便法改正案を提出した。
もっと読む スイス議会、新聞配達費用の補助金を引き上げ
続きを読む
おすすめの記事
組織化進む野生動植物の密輸 スイスの専門家が警告
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのジュネーブで現在、ワシントン条約第18回締約国会議が開催中だ。低リスクで高収益が得られるとして犯罪組織による野生動植物の密猟と違法取引が横行していることから、スイス代表団は密輸に対する刑罰の強化を求めた。
もっと読む 組織化進む野生動植物の密輸 スイスの専門家が警告
おすすめの記事
生物多様性を脅かす「遠方からの来客」
このコンテンツが公開されたのは、
庭にはびこる外来種に頭を痛めてはいないだろうか?外国から持ち込まれた動植物は、世界的で生物多様性が失われている大きな原因の一つだ。スイスでは外来種の駆除が実を結びつつあるが、この問題に立ち向かうには社会全体の協力が不可欠だ。
もっと読む 生物多様性を脅かす「遠方からの来客」
おすすめの記事
絶滅危惧種のサルに赤ちゃん チューリヒ動物園
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ動物園で今月5日、絶滅危惧種のゴールデンライオンタマリンの赤ちゃんが2匹生まれた。飼育数はこれで11匹になった。
もっと読む 絶滅危惧種のサルに赤ちゃん チューリヒ動物園
おすすめの記事
絶滅危惧の鳥類 スイスのレッドリストは世界の3倍
このコンテンツが公開されたのは、
国際環境NGO「バードライフ・インターナショナル」は23日、鳥類の絶滅危惧種に関する統計を発表した。世界では8種に1種が絶滅危惧種であるのに対し、スイスでは絶滅危惧種の割合が他国に比べて3倍も高いことが分かった。
もっと読む 絶滅危惧の鳥類 スイスのレッドリストは世界の3倍
おすすめの記事
「取引は、植物や動物を救う手段になれる」
このコンテンツが公開されたのは、
マティアス・レルチャー氏は連邦経済省獣医局(BVET/OVF)動植物保護課の課長を務め、2004年からワシントン条約(CITES)の運用に関わっている。ワシントン条約に設置される動物委員会のメンバーでもある。 swiss…
もっと読む 「取引は、植物や動物を救う手段になれる」
おすすめの記事
シェンゲン協定加盟国の密輸防止対策
このコンテンツが公開されたのは、
スイスはシェンゲン協定加盟国への密輸を防止するために、EU拡大補助金 ( 結束政策補助金 ) を拠出し、ポーランド国境移動警察を援助する意向だ。 たばこは大きな収入源 ポーランドの街、プルチェミスル ( Przemys…
もっと読む シェンゲン協定加盟国の密輸防止対策
おすすめの記事
消え行く虫たちを守れ!
このコンテンツが公開されたのは、
虫は、近くにいると疎まれる存在だが、自然界では重要な役割を果たしている。そんな虫が今、激減している。絶滅に瀕するこの小さな生き物を守るために、何ができるだろう?昨年11月15日を「虫の日」に定めたスイス。政治介入を求める自然保護団体の動きも出ている。
もっと読む 消え行く虫たちを守れ!
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。