観光
3番目の輸出産業
観光は金属業と製薬業に次いで3番目に大きい輸出産業であり、これらと並ぶ伝統的な収入源だ。しかし今日では、スイス人自身も外国からやってくる数多くの観光客と同じくらい頻繁に外国旅行を楽しむようになっている。
それでもやはりスイスの観光が衰える気配はなく、25万人の人々が観光業に従事している。
古い歴史
観光としての始まりは19世紀になってからだが、文章や絵に表されたスイスの風景の美しさは、すでに17世紀から外国の知識人たちを魅了していた。
当初の観光は夏の娯楽に限られていた。深雪に旅が妨げられる冬は、ウインタースポーツがようやく始まりかけたばかりだった。19世紀の末になると、主にイギリス人が冬のスイスを開拓しだし、ウインターホリデーはやがてファッションとなった。今日の「ローシーズン」はもはや春と秋の数週間だけだ。
ショートブレイク
このように、現在のスイスにはウインターリゾートやサマーリゾート、あるいは両シーズン用のリゾートなど、あらゆる種類の休暇施設がある。スパや会議室も完備し、足りないものは何一つない。
アクティブな休暇ブームが過ぎ、最近の話題は「ウェルネス」に集まっている。スパやヘルスファーム、ビューティサロン、フィットネスなどと組み合わせた休暇が人気だ。これらの設備は、滞在するホテルの中や提携グループの施設内に完備されている。
もっと一般的な休日の過ごし方はスイス各地への遠出で、ほかのスイス人に混じって日帰り旅行や週末旅行を楽しむ。登山列車や蒸気船、山岳レストランなどは特に人気が高い。しかし、そのせいで伝統的なホテルからは客足が遠のいている。
スイス各地へ
観光に無関心な地域はスイスにはない。その形はさまざまだが、基本的には、夏は登山、冬はスキーを楽しむ山岳リゾート、そしてウォータースポーツができるレイクサイドリゾートが多い。そのほか、リゾートの要素を併せ持つ町もたくさんあるし、ジュラ地方のように、これといったアトラクションがなくても観光客が訪れる地方の田舎は無数にある。
これらの観光地域の多くでは、イベントとアクティビティの両方を楽しむことができる。大きな町はだいたいどこも湖畔にあり、会議の開催地や博物館などの所在地であると同時にビジネスマンが集う場所ともなっている。
旅行の目的地としてのスイスをPRしているのはスイス政府観光局(http://www.myswiss.jp/)だ。
スイスは現在、ほかの観光地からおしなべてますます厳しい競争を強いられているが、にもかかわらず、スイスのPR活動に対する国家の出費は比較的少ない。スイスの観光はいま、インドや中国など裕福な人々の数が増加している市場を開拓中だ。
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