
金精錬メタローCEO、スイス工場に最大95億円投資 国外移転は「到底考えられない」

スイスの貴金属精錬大手メタロー社は米国での金生産を拡大すると同時に、ヌーシャテル州マランの生産拠点にも投資する。ニコラス・カレラ最高経営責任者(CEO)は今後10年間で4000万~5000万フラン(約76億~95億円)を投じる方針だ。

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カレラ氏はフランス語圏の経済メディアArcInfoのインタビュー外部リンクで、メタローにとって、米国市場向けインゴットの一部を米国内で生産すること自体は問題にならない、と述べた。
同氏は「当社はマサチューセッツ州アトルボロに拠点を持ち、生産自動化への投資に加え、PGM(プラチナ、パラジウム)ラインの開発にも取り組んでいる」と述べ、これらのプロジェクトは米国がスイス製品に39%の関税を課す前に開始されたと説明した。
金地金はドナルド・トランプ大統領が課した高関税の対象外だ。ただ対スイスの関税率が39%と高くなったのは、スイスから米国への金地金の輸出額が多く、対米黒字を膨らませる要因となったと指摘されている。

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メタローはマラン工場を移転させる考えはない。カレラ氏は「スイスを経由する投資用金地金は、将来的にもスイス外で精錬されることはない」と強調。「それは到底考えられないことだ。マラン工場では、新エネルギー・防衛・医薬品・自動車産業において戦略的金属となったロジウム、ルテニウム、イリジウムの精製システムも稼働させる予定だ」と述べた。
カレラ氏は銀加工部門も近代化し、生産能力を倍増させる予定だと述べた。
メタローは2016年以来、田中貴金属を擁するTANAKAホールディングスの傘下にある。

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英語からのDeepL翻訳:ムートゥ朋子
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