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増える医療保険の自己負担 スイス人の家計事情

スイスには公的な医療保険がない。年々上昇する保険料は国民にとって大きな負担だ。 Keystone Archive

上昇し続ける医療保険料がスイス人の家計を圧迫している。

このコンテンツは 2004/09/29 14:54

GfS調査研究所(本部、ベルン)は23日、医療保険の自己負担についてのアンケート調査をまとめ、発表した。年々上昇する保険料の負担に、多くの人が生活に不安を抱えている実態が浮かび上がった。

少子高齢化が進むスイスでは、医療だけでなく、年金や雇用などの社会保障制度の負担も増大が見込まれており、家計の事情はさらに厳しさを増すことが予想される。医療費の引き締めが加速する中、国民にとって、安心できる医療のあり方が問われている。

増える保険料

アンケートは、医療保険に加入している1,213人を対象に今年実施された。その結果、保険料の支払いで金銭的な問題を抱えている、と答えた人は52%にのぼった。昨年のアンケート調査で明らかになった44%よりも上回っている。

連邦厚生局の調べでは、国民が支払った毎月の保険料の平均は、1997年で166フラン(約14,700円)だったのが、2003年には269フラン(約23,700円)と、6年間で68%上昇している。

また、保険料が上昇している理由について、「少子高齢化」「医療サービスの過剰利用」の他に、「製薬会社と保険会社が消費者の財布を狙っている」と、企業の金儲け主義を指摘する回答もあった。

質の高い医療

一方、「自己負担が増えても、自分の意思で医者や医療機関を選びたい」と答えた人は51%に及んだ。

医療費は、国民が負担する保険料や税金と患者の自己負担で賄われている。以前は、どこの医師や医療機関にかかっても、一定の割合で医療費を補償してもらえる実費給付型だったが、医師や医療機関の過剰請求が目立ち、増え続ける医療費が財政を圧迫しているという事情がある。

このため、医療保険は実費給付型から、保険会社が指定する医師や医療機関にかかる管理医療型導入へと移行しつつある。無駄な診察料や薬代などを抑えることで、増大する医療費を引き締めるのが狙いだ。

今回のアンケート調査では、「保険料の負担は個人の収入を基に設定された方がいい」と回答した人が過半数に上った。質の高い医療を受けられる者とそうでない者との格差の広がりには、多くの人が否定的な見方をしていると言えそうだ。


スイス国際放送、外電 安達聡子(あだちさとこ)

補足情報

連邦厚生局によると、2003年の基礎医療費は182億フラン(約1兆6,084億円)と、過去5年間で24%上昇した。

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