チューリヒ州政府、ガザの子ども受け入れを拒否
チューリヒ州政府はガザ地区から負傷した子どもたちを受け入れる考えはないと表明した。「安全上の懸念が大きい」としている。
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10月初旬、右派の国民党(SVP/UDC)所属の州保健局長ナタリー・リックリ氏が、ガザの子どもたちの受け入れ提案を拒否する意向を示したことが明らかになった。社会民主党(SP/PS)は4万2000筆の署名を集め請願書を提出したが、リックリ氏の方針は変わらなかった。
現在、ガザ地区からの7人の子どもたちがスイス各地の病院で治療を受けている。多くが10歳未満の子どもたちで、ジュネーブ州、ヴォー州、ティチーノ州、バーゼル・シュタット準州、ルツェルン州、ザンクト・ガレン州の小児病院が受け入れた。さらに13人の子どもとその家族が11月に到着する予定だ。
チューリヒ州政府は29日、負傷した子どもたちの受け入れには参加しないと発表した。主な理由は「安全上の懸念」で、関係者の中にパレスチナ武装組織ハマスや他の団体とのつながりを持つ人物が含まれている可能性を排除できないとした。また子どもたちや同行者の受け入れには「予測不可能なリスク」が伴うとした。
約100人の同行者
さらに、負傷した子どもたちの医療的および心理的ケアには相当な負担がかかる。同行する約100人には、人道的な理由による永住許可が与えられ、初期段階から医療・社会保障の利用が可能になるほか、将来的には家族の呼び寄せ(家族再会権)も認められる。
チューリヒ州政府は、合計20人の子どもを受け入れることは「象徴的かつ恣意的なジェスチャーで、効果は限定的だ」と指摘。州政府としては子どもたちをチューリヒに連れてくるよりも、連邦政府からの資金を現地支援に充て、「現地でより多くの人々を助ける方が有効だ」としている。
「象徴政治」に反発
中道右派の急進自由党(FDP/PLR)と国民党は、チューリヒ州政府の決定を歓迎した。両党は、「潜在的に危険な象徴的政治」に対して毅然と立ち向かったとし、この受け入れ計画は、社会民主党の連邦閣僚ベアト・ヤンス氏とエリザベット・ボーム・シュナイダー氏、そして中央党(Die Mitte/Le Centre)のマルティン・プフィスター氏が独自の判断で打ち出したものだと批判した。
英語からのDeepL翻訳:宇田薫
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