次回の「007」、フォースター監督の手に
スイスの映画監督マーク・フォースター氏が次回の「007」映画を手がけることに決定。フォースター監督は、2005年度アカデミー賞7部門を受賞した評判の人物。
撮影は今年12月にスタートし、上映は2008年末に予定されている。
「フォースター監督はカナダのポール・ハギス氏と共同で脚本も書くことになっている」と「メトロ・ゴールドウイン・マイエールスタジオ ( MGM ) 」と「ソニー・ピクチャーズ・ エンタテインメント( Sony Pictures Entertainment ) 」が詳細を語った。
鬼才、フォースター監督
「フォースター監督の才能は並外れており、ユニークな視点を持つ監督」と評価するのは製作者マイケル・ウイルソン氏とバルバラ・ブロッコリー氏。
ソニー・ピクチャーズ・ エンタテインメント会長アミイ・パスカル氏もフォースター監督の抜擢に「最適任者。彼はジェームス・ボンドのファンが求めているもの、アクション、ユーモア、サスペンス、感動、全てを生み出してくれるだろう」と手放しで喜んでいる。監督本人は「いつもボンドのファンだった」とコメントした。
監督のチャレンジ
38歳のフォースター監督は2002年作『チョコレート ( 原題はMonster’s Ball ) 』で一躍有名になった。主演女優のハリー・ベリーは有色人種として初めてのアカデミー主演女優賞をこの作品で獲得している。
2005年にはアカデミー賞7部門受賞に輝いた『ネバーランド』を、2006年には『主人公は僕だった』を製作。短いキャリアにもかかわらず、結局は断った『ハリー・ポッター』の製作依頼も受けている。
昨年の「007」、ジェイムス・ボンド映画『カジノ・ロワイヤル』では、ブロンドのダニエル・クレイグが初めて主演し、今までとは一味違うボンド像を作り上げた。そしてシリーズでの最高額6億ドル ( ( 約700億円 ) の興行収入をもたらした。
次回このクレイグをいかに使いこなすか。フォースター監督のチャレンジが始まる。
swissinfo、外電 里信邦子 ( さとのぶ くにこ )
1969年、ドイツに生まれる。その後、スイスのグラウビュンデン州で育つ。
1990年以降、アメリカに住む。ニューヨークで映画を勉強。
1995年、長編映画を手がけ始める。それ以前は短編のドキュメンタリーを製作していた。
2002年、『チョコレート』では、主演女優のハリー・ベリーはアカデミー主演女優賞を獲得したほか、「第52回ベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)」も受賞した。2005年、『ネバーランド』で アカデミー賞7部門を受賞。
2006年、『主人公は僕だった』製作。
2007年、『凧をおいかけて ( The Kite Runner ) 』が発表される予定。
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