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米国でチバ集団訴訟

米ニュ−ジャ−ジ−州で、チバの工場周辺の住民100人以上が工場からの汚染が原因でガンになったと、チバを相手に集団訴訟をおこした。

米ニュ−ジャ−ジ−州で、チバの工場周辺の住民100人以上が工場からの汚染が原因でガンになったと、チバを相手に集団訴訟をおこした。

訴えによると、ニュ−ジャ−ジ−州トムスリバーのチバの前身チバ=ガイギー工場からの有害物質が、町の飲料水源を汚染し、住民のガンを引き起こす原因となったし、チバに対し、住民35、000人の医療費(検査・治療費)を支払うよう要求した。

原告側の弁護団によると、訴訟はニュージャージー州保健当局と有害物質のための連邦調査局の調査結果に基づく。2月に発表された報告書によると、チバ=ガイギーは染料とニトロベンゾールでトムスリバーの飲料水を長年汚染した。チバ=ガイギーのトムスリバー工場は、1952年から96年まで、染料、添加剤、プラスティックを製造、広範囲にわたる汚染の源だったことが認められている。1983年、米国で最も汚染された地域100にランキングされた際、約2億ドルを汚染除去に費やした。

「地下水はチバ工場によって完全に汚染されてしまった。それは、認める。我々は80年代初めから連邦環境保護局と協同で汚染除去と周辺地域の洗浄にあたっている。」とドナ・ジャコボウスキー・チバ・スポークスマンは言う。が、チバは飲料水を汚染されていないと主張する。「我々は長年汚染を調査してきたが、あらゆる調査、研究の結果、汚染は飲料水には及んでいないとの結論に達している。」と、ジャコボウスキー・スポークスマンは言う。「汚染は工場直下35から75フィート(11から25メートル)の層に及んでいるが、隣接地域はわずかに侵害しているだけだ。現況では地下水は完全に汚染されている。が、そこから広がってはいない。現在我々は汚染された地下水をくみ出し、処理している。」

チバは原告に同情するが、原告の訴える責任はないとし、訴訟には断固立ち向かう決意だと、ジャコボウスキー・スポークスマンは語った。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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