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エジプトや中米のようなピラミッドはなくとも、インディ・ジョーンズさながらに秘宝を発見できる国がある。スイス北部・バーゼルで最近、ローマ時代の銀貨293枚が発掘されたのはその一例だ。
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主にSWI swissinfo.chの翻訳、校正、記事掲載を担当。スイスのユニークなものについてのプレスレビューやオリジナル記事を書くこともある。
歴史と宗教学を学んだ後、ラジオ・フリブールでジャーナリストとしてのキャリアをスタート。その後、スイス通信社のニュースルームを経て、2000年にSWI swissinfo.chに入社。連邦政治と歴史を専門に担当。現在は翻訳、校正、記事制作を担当。
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Olivier Pauchard, Kai Reusser, swissinfo.ch
金の首飾りから青銅のグローブ、硬貨いっぱいのジョッキ。上掲のスイス地図で×印が示すのは、近年お宝が発見された場所だ。
考古学者による計画的発掘調査で、12枚のローマ銀貨が人里離れた森で見つかった。ツーク州によると、カラカラ帝が西暦215年に導入したアントニニアヌスとみられ、241~255年に鋳造された
Amt für Denkmalpflege und Archäologie Zug
ローマ時代の効果やブローチ、金のペンダントが発見されたのは、ウィリアム・テルが息子の頭の上のリンゴを射抜いたとされるアルトドルフの遺跡。古代末期の作で、ペンダントは西暦600年ごろのものとみられる
Copyright By F.x.brun 6460 Altdorf / Switzerland
二つの金属探知機が青銅に金の腕輪がついたグローブを発見。紀元前1500~1400年ごろのものとみられる
Keystone / Philippe Joner
アパートやオフィスビルの建設中に作業員は、22個のオイルランプの入った土鍋が出てきたことに驚いた。ランプはそれぞれ真ん中に硬貨が入っており、考古学者らは儀式的に埋葬されたものとみている。青銅のアス硬貨は西暦66~67年製で、古代ローマの貨幣セステルティウススの4分の1ほどの価値しかない
Kaag
スイスで発見された古い貨幣で最も重要な出土品の一つ。青銅貨幣4166枚、重さ15キロがモグラの穴から覗いているのを、サクランボ農園の農家が発見した。3世紀末ごろのもの
Kaag
私有地での配管工事中に発見されたアンフォラ(二つの持ち手が付いた壺)には、1世紀末~3世紀製の硬貨4869枚が良い状態で入っていた。こんなにもたくさんの希少な硬貨が見つかるのはヨーロッパでは珍しい
Repubblica e Cantone Ticino
ルンガーン村の上を通る古いラバ道の岩の間で、13世紀末(スイスが建国されたころ)の銀貨が100枚以上見つかった。旅行者がお金を隠したか紛失したものとみられている
KEYSTONE/Sigi Tischler
深さ数センチメートルの地下から、スイスで最も重要なケルト銀貨293枚が発見された。直径約1センチ、重さ2グラム。ローマ時代の貨幣をケルト族が模倣したもので、紀元前80~70年ごろに埋葬された。ギリシャ語でKAΛETEΔOY(Kaletedou)と刻まれており、ガリア族の首長の名と考えられている
Archäologie Baselland
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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