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趣味が仕事になると

趣味を仕事とする。幸運な人生

(swissinfo.ch)

店に一歩足を踏み入れる。障子の前に和ダンスが置かれているが、日本の家には無い雰囲気だ。和洋折衷ともまた違う、簡素で新しい空間が広がる「ジャパン・ショップ」。オーナーはオットー・フェントさん(54歳)。長年、和風のライフスタイルをスイスに紹介してきた。 

 柔道は16歳のときから始めた。スイス東部のザンクトガレンで道場を見つけるのは大変だったが「アクション映画で知った柔道をどうしても習いたかった」という。

 趣味はガレージの経営責任者になってからも続けた。趣味を仕事にできると思い、柔道着や竹刀などの武具を輸入していた柔道の先輩と共同で店を構えたのは、自然の成り行きだったと彼は振り返る。

 武具の次は畳の輸入。和風のライフスタイルがスイスで流行したのが幸い。フェントさんの店には、和風空間に住んでみたいという客が訪れるようになる。武道などはまったく知らない人たちだ。「日本文化に哲学的な何かを感じるのだろう。でも、スイス人の中には突飛な解釈をする人も来る」とちょっと苦笑い。

 現在は独立し、骨董屋から買った日本の刀、鍔(つば)、鎧も置くようになった。「スイスの柔道は力がものを言う競技になってしまい、若い人のスポーツになった。わたしはそろそろ柔道から引退することになろう。そうしたら、骨董についての知識を極めるつもりだ」という。なにしろ客は隣国からロシアまで広く、鍔の収集家の一人は、エルミタージュ美術館で所蔵の骨董の展示をしたという。フェントさんのところへ骨董を求める客は、厳しい目を持った人が多いのだ。

swissinfo、 聞き手 佐藤夕美(さとうゆうみ)

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