
スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ

世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。

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フランス語圏のスイス公共放送(RTS)が報じた。移転計画は、3月末の取締役会で承認を受ける必要がある。
RTSによると、移転理由はツーク州の低い税率だけではない。SGSは、ジュネーブ本社ビルは半分しか埋まっておらず、ツークの方がチューリヒ空港に近いという利点もあると語った。
SGSは世界で10万人を雇用する多国籍企業。1915年から本社を置くジュネーブは150人を雇用し、移転に伴い解雇することはないという。同社はジュネーブでの「存在感」を維持したいと語った。
移転計画をめぐっては数カ月前からジュネーブ州の経済・雇用局と議論されていた。デルフィーヌ・バッハマン局長はRTSで、SGSの決断は残念だと語った。引き留めるためにさまざまな提案を出したという。
「SGSとの話し合いは、同社の決断において十分な重みを持つものではなかった。 州としては色々なことができるが、最終的に決定するのは彼らだ。 他の民間企業と同じように、自由に選択することができる。 今、私たちはジュネーブ州の未来と魅力に集中しなければならない」
移転がジュネーブ州の税収にもたらす影響は未知数だ。 SGSの2023年の売上高は66億フラン(約1兆2000億円)だった。
企業の流出が懸念されるのはジュネーブ州だけではない。スイス国内の他のSGSオフィスも、研究所を除いてツークに集約される予定だ。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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