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「人権と人道国際アカデミー」、ジュネーブでスタート

2人のアメリカ兵がアフガニスタンの兵士を連れ去る。しばしば武力紛争での捕虜の法的扱いは、明確でないことが多い Keystone Archive

「人権と人道国際アカデミー ( ADH ) 」がミシュリン・カルミ・レ大統領列席の下、ジュネーブで9月27日スタートした。

このコンテンツは 2007/10/04 15:30

所長を務めるアンドリュ・クラパム氏にアカデミーの特徴、今後の展望などを聞いてみた。

2001年9月11日以降始まったテロとの戦いは、遠く離れた戦地だけの問題ではなくなった。アメリカもヨーロッパも、スイスでさえこの戦いの只中にある。今回開設された人権と人道のアカデミーはこうした国際的状況に基づいて紛争の分析を行う研究機関である。同機関はまたスイス政府の人権人道問題における外交政策を支援することになるという。

swissinfo : 国連人権理事会が創設された後で、人権と人道のアカデミーができたことで、ジュネーブは人権問題をうまく解決できずにいると受け取られないでしょうか?

クラパム : そんなことはありません。世界中で多くの人権侵害が行われています。このことを意識するなら、アカデミーが開設されるのは当然ということになるでしょう。

また、強制的失踪や障害者に関する新しい条約が採択されています。法律家、外交官、NGOの人たちは新しく専門性を身につける必要があります。

swissinfo : オランダのハーグやイタリアのフィレンツェにも同じようなアカデミーがありますが、これらと比較して、ジュネーブのアカデミーの特徴はどのようなものでしょうか?

クラパム : このアカデミーは世界的にみてユニークな、ある点では唯一の研究所になります。つまり、通常は分けて考える4つの分野 ( 人権、国際人道法、難民法、国際犯罪法 )を統合して、紛争の状況を分析していこうとしています。

世界状況の変化に伴って生まれた発想です。テロに対する戦いですが、この戦いは遠く離れた戦地だけの問題ではなくなっている。アメリカもヨーロッパも、スイスでさえこの戦いの只中にいるといえるのです。

キューバのグアンタナモにあるアメリカの捕虜やテロリストの収容所がよい例です。アメリカの最高裁判所は、これら捕虜に対して、紛争での捕虜取り扱いなどを人道的に規制する、国際人道法を適用するのかそれとも人権法を適用するのかといった問題が生じてきています。

同じことが例えばロンドンで、またはイラクで、テロリストと思われる人物を捕まえた時にも言えます。国際司法裁判所の最近の法解釈において、この人物を表現の自由といった人権に重きを置きながら、取り扱うのか否かといった問題が起きてきます。人権に重きを置く方がより広範囲にこうした人物を守りやすいのですが。

少年兵の問題にしても、ジュネーブ条約は15歳以下の少年を兵士に採用してはいけないとうたっています、ところが子供の人権に関するジュネーブ条約の議定書では18歳以下になっているのです。

swissinfo : ところでアカデミーで研究した学生は将来どういった機関で働けるようになりますか?

クラパム : 赤十字国際委員会 ( ICRC ) や国連難民高等弁務官事務所 ( UNHCR ) 、国連人権理事会 ( Human Rights Council ) など、NGOであればアムネスティーインターナショナル ( Amnesty International ) でしょうか。望めば博士課程にも進めますし、研究職、教授職も可能です。

swissinfo : 学生以外にはどういった人がアカデミーを利用するのでしょうか?

クラパム : 法律家、ジャーナリスト、NGOのトップレベルの人たちといった、すでにこの分野で仕事をした経験のある人たちを対象に、1年で修士号が取れたり、生涯教育的な授業を用意しています。

swissinfo : 同アカデミーはまた、人権、人道問題を扱うジュネーブの諸機関を監査する役割も果たすのでしょうか?

クラパム : その通りです。人道関係機関の法的決定を分析します。またアカデミーは紛争解決のためにスイス政府が取る外交政策のアドバイスもできると思います。特にジュネーブ条約に照合する形での解決法を探る場合には力になれると思います。

swissinfo、 カロル・バン、イソルダ・アガジ、里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳

スイスの人道政策

スイス外務省 ( EDA/DFAE ) によれば、スイスは国連のような国際機関フォーラムにおいて人道政策を繰り広げる。それは人道援助の全般的状況を改善するような方向を取る。

スイスは国際人道法が世界中に広く知られ、尊重されるような政策を推し進める。スイスはまた武力闘争下での一般市民の保護が国際人道法の基本をなすと考えている。

スイスは、紛争中もその後も人間の尊厳が守れるよう人道援助を行う。スイスの人道援助は中立であり、独立しており、普遍的であり、政治的意図をもたない。

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