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1サンチームよ、さようなら

てんとう虫や四葉のクローバーと同じように、スイスでは幸運を呼ぶという1サンチームが鋳造中止になる(写真提供 : imagepoint)

スイスフランのコインは現在、1、5、10、20、50サンチーム(独語ラッペン)と1、2、5フランの8種類あるが、1サンチームはめったにお目にかからない。その1サンチームの鋳造が2007年で取りやめられることになった。

1サンチームは0.01フランだが、消費者が実際に手にすることはない。最小単位が5サンチームになるように、一般に値段設定されている。

 1サンチームは、支払い手段という役割はとうの昔に失って、いまや、幸運を呼ぶ小物として使われているだけ。連邦政府もこのほど「1サンチームは貨幣の流通という観点からは無意味」と断定。2007年1月1日から、1サンチームを貨幣の流通から撤退させることにした。

素材調達の問題

 1サンチームは銅製。1サンチームの鋳造コストは11サンチーム。鋳造用の銅の調達が難しくなっているため、銅の値段が比較的安いときに大量に購入している。しかし、そのため、銅の保管コストもかかるというのが現状だ。

 「コインが廃止されても、消費者は1サンチームの単位で買い物をしていないので、物価が上昇する懸念もない」とスイス貨幣鋳造局(swissmint)のバウマ広報官は言う。ガソリンスタンドではこれまで通り給油の値段は1サンチームまで表示された後で切り上げ方式で値段が決まるし、銀行の利子は書類上、これまで通り1サンチーム単位で表示される。コイン収集家が反対しているくらいなもので、1サンチームの廃止は問題はないという。

 2007年1月1日から鋳造が停止され、通貨の流通機構から撤退となる1サンチームコインは、その後2年間、郵便局や連邦鉄道の窓口で交換することができる。その後さらに18年間はスイス国立銀行で交換を受け付けることになる。28年前には2サンチームがいまの1サンチームの運命をたどった。

5サンチームは命乞い

 実は、連邦政府はこの機会に5サンチームの廃止も計画していた。5サンチームの鋳造コストは6サンチーム。廃止することで年間30万〜40万フラン(2750万〜3670万円)のコスト削減を狙ったのである。しかし、これには消費者、労働組合、小売業界などが大反対。物価の上昇を呼ぶことのほか、物価上昇が安価な商品に特に顕著となり、小売業界の圧迫になるというのが理由だった。

 1サンチームは今年150万枚鋳造され、スイス国立銀行に渡される。スイスでは「幸運を呼ぶ」と愛されている1サンチームは、いまのところ国立銀行の窓口で買うことができる。

swissinfo、佐藤夕美(さとうゆうみ)

補足情報

スイスの通貨が統一されたのは、1798年ナポレオンがスイスに侵攻し、スイスの統一を図ったおかげ。
これ以前は、地方自治体が自らの通貨を持っていて両替をしていた。
現在は連邦政府の管轄となり、スイス国立銀行が通貨量などを決めている。
コインについては、スイス鋳造局がスイス国立銀行の通貨方針に従ってコインを鋳造を担当している。
swissmintは一般に流通するコインのほか、記念コインなども発行している。

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キーワード

2006年は、コイン400億個が流通している。金額にして200億フラン(約1兆8350億円)重さにして1万6000トン。
2006年は1サンチームが150万個鋳造される予定。5サンチームは120万個、5フランは50万個

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