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人口800人の村に観光客5千人 困惑する景勝地ラウターブルンネン

渓谷
72本の滝、人里離れた渓谷、色とりどりのアルプスの牧草地、絵のように美しい山小屋…ラウターブルンネン警告はスイス最大の自然保護地域の1つだ RTS-SWI

絵葉書のように美しいスイスの観光地ラウターブルンネン。滝や崖、のどかな村の風景がソーシャルメディアで拡散し、人気が急上昇。世界中から多くの観光客が訪れている。

だがあまりに大量の観光客が押し寄せるのは、小さな村にとって必ずしも歓迎すべきことばかりではない。

ベルン州ラウターブルンネンはスイスを代表する景勝地の1つだ。息を飲むような絶景をひと目自分の眼で観たいと、世界中から観光客が集まって来る。

滝の前で写真を撮る観光客
ラウターブルンネンには世界中から来た観光客が群れを成し、地元住民を困惑させている RTS-SWI

米コネチカット州から夫婦でラウターブルンネンを訪れた観光客は、フランス語圏のスイス公共放送(RTS)の取材に「ここに来るのは今日が2回目です。とても美しいので…最も美しい風景を何度も写真に撮り、家族や友人に見せたり、SNSに投稿したりしました。ここが大好きです」 と話した。

SNSの功績

ラウターブルンネン観光局もSNSを観光客誘致の主戦場にしており、大きな成果に満足している。トーマス・デューラー観光局長は「ラウターブルンネンの渓谷は世界で最も美しい。ソーシャルネットワークのおかげで写真は世界中に拡散され、多くの観光客が訪れるようになった」と語る。

RTSが取材した今月10日、人口わずか800人のラウターブルンネンに5千~6千人の観光客がおとずれたという。

だがカール・ネプフリン村長は、これほど大量の観光客を想定していなかったため、対応が難しくなっていると話す。「問題は、私たちがこの状況を想定していなかったことです。観光客はものすごく増えています。パンデミック後から増加傾向にありましたが、この夏ほど増えたことはありませんでした」

観光客が村の活力になっている事実を踏まえても、これほど多くの訪問者は頭痛の種を生んでいる。元ホテル経営者、パウル・アルメン氏は「これまでに比べ、この夏は観光客が爆発的に増えた。日帰り旅行者も多い。村民の誰一人として、この生活を楽しんでいない」と苦言を呈した。

車道・歩道の拡張や地下駐車場の建設も計画されている。だが観光客の数を制限しない限り、ラウターブルンネンの魅力が失われるという根本問題は解決されないとの意見もある。

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担当: Veronica DeVore

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英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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