スイスで実施されている、自宅で仕事をする「テレワーク」は、過去15年で4倍に増えた。しかし、7日に連邦統計局外部リンクが発表した調査結果によると、定期的にテレワークをする人の数は労働者全体のわずか2.7%で、普及はもうひとつだ。
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テレワークは次のように定義されている。「クライアントや雇用主とのインターネットの使用とデータ交換を含む仕事の仕方」
連邦統計局外部リンクの同調査によると、このテレワークを「定期的に」行っている人の数は約12万人で、労働者全体のわずか2.7%にあたる。一方、「ときどき」テレワークをしている人は、20%だ。
「ときどき」および「定期的に」テレワークする人の総計は過去15年で4倍に増えている。
テレワークを行う人の職種に関して、最も多いのは情報やコミュニケーションの分野で、少なくとも50%超が「ときどき」テレワークをしている。教育、科学、技術、金融分野でも、「ときどき」テレワークをする人の割合が比較的高い。
ところで、連邦統計局が行ったこのテレワークの調査だが、これには純粋に「家で仕事をする場合」のみがカウントされており、移動中に電車の中で仕事をする場合や自宅以外の場所で仕事をする場合は、含まれていない。
スイスでは、テレワークの普及がもう一つだ。「ときどき」家で働くことが認められている人の数はかなり増えているが、その年の初めに契約書を交わして「定期的に」週に1日とか2日、家で働ける人の数はわずか2.7%だというのがこの調査の結果だ。
妻が遅く出社して子どもを保育園に連れて行き、早く出社した夫が早めに子どもを迎えに行くといった、時間をずらす働き方や、それぞれが週4日働く形はかなり一般化している。だが、定期的なテレワークはまだまだ。会社の人事が「本当の効率とは何か?」を考え、労働者を信用するしかないというのが、記者の考えなのだが…
皆さんの御意見をお聞かせください。
(英語からの翻訳&編集・里信邦子)
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