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地域活性化 スイス国内最小の村、村全体をホテルに

人口わずか14人の小さなコリッポ村

人口わずか14人の小さなコリッポ村

(Keystone)

スイス南部ティチーノ州のヴェルツァスカ渓谷にある小さなコリッポ村で、村全体をホテルにしようというプロジェクトが進んでいる。歴史的な家並みが美しいこの村は国内最小の自治体で、人口はわずか14人。村に点在する古い建物の部屋を宿泊施設として活用し、村の活性化を図るのがプロジェクトの狙いだ。2018年春に提供を始める予定で、実現すればスイスで初めてのケースとなる。

 建築士らで作る「コリッポ財団1975」がこのプロジェクトを主導。同団体代表で建築士のファビオ・ジャコマッツィさんは「(村に建つ)石葺きの伝統的な建物は20世紀初めの姿をほぼそのまま残している。周りには手付かずの自然もある」と村の魅力を語る。

 イタリア語圏に位置するコリッポは、以前は約300人が住んでいたが、若者が村を離れ徐々に人口が減少。1975年までに地元の農業はほぼ廃れてしまった。

 人口減に歯止めをかけるため、地元自治体はさまざまな対策を練ってきた。75年、欧州文化遺産保全の年の一環で、コリッポが保全賞を受賞したのを機にコリッポ財団1975が作られた。

村全体をホテルに

 コリッポ財団1975年は、一棟の建物を丸ごとホテルにするのではなく、もともとある建物の一室を活用することで、無理のない観光振興ができるという。ホテルの部屋は村のあちこちに散らばり、インテリアもコリッポらしい飾り付けがされている。

 ホテルという建物がないため、村内のレストランが宿泊の受付業務のほかロビー、食事を取る場所を提供。村役場前の広場も野外のロビーとして使ってもらうという。

 今年6月にはこうした取り組みが評価され、スイス国内のホテルやレストランでつくる団体「ガストロスイス」の「ホテル・イノベーション・アワード」を受賞した。

 今後、村の古い製粉所やパン屋、栗を乾燥させる部屋などを改装する。ライ麦や麻、栗の木の栽培のほか、ヤギの飼育にも力を入れるという。

 事業費は総額600万フラン(約6億8400万円)で、まだ全額が集まってはいないが、関係者はガストロスイスの賞が追い風になると期待する。ジャコマッツィさんは「(ガストロスイスの)受賞以来、部屋を予約したいというお客さんから連絡が来ている。まだホテルは出来ていないのだけれど」と笑う。

 イタリアでは歴史的な建物を活用し、地域全体をホテルにする同種のプロジェクトがすでに約100件あり、ホテルの品質をランク付けする全国機関もある。


(英語からの翻訳・宇田薫)

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