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スイスの視点で振り返る日本関連の記事

スイスのメディアが報じた日本のニュース

株価チャート画面
インフレが進む中、日本の若者が株式投資に目覚めているとスイスでも報じられた Keystone

先週(11月20日〜26日)スイスの主要報道機関が伝えた日本関連のニュースから3件をピックアップ。要約して紹介します。

「草間彌生が伊ベルガモで展示」「10月はインフレ加速」「ほぼ猫しかいない青島」「ゴミ拾い世界選手権」「2024年の旅行先トップは日本」「インフレで株式投資が活発に」「全音楽配信サイトから安室奈美恵さんの楽曲が消失」「東京に日本一の超高層ビルが竣工」「仏ジャーナリストのジュリアン・ブラン・グラの日本滞在記」「ヴィム・ヴェンダース監督x役所広司主演『Perfect Days』」―といったトピックスが取り上げられました。

この中から今回は「10月はインフレ加速」「インフレで株式投資が活発に」「ゴミ拾い世界選手権」をご紹介します。

インフレ継続と需要低迷

総務省が24日に発表した10月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くコアで前年比2.9%上昇。経済紙フィナンツ・ウント・ヴィアトシャフトは「インフレ圧力が予想よりも根強いことから、日銀は近いうちにマイナス金利政策と長期金利にゼロ%の上限を設ける『イールドカーブ・コントロール(YCC)』を放棄しなければならないのではないかとの憶測が高まっている」と解説しました。

同紙は同日S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスが発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が48.1と、10月の48.7から低下し、好不況の分かれ目である50を依然として下回っていることも併せて報じました。11月も生産と新規受注が減少し、多くの企業が2カ月連続で人員を削減している点にも注目しています。(出典:フィナンツ・ウント・ヴィアトシャフト外部リンク/ドイツ語)

新NISAに賭ける若い世代

スイスのオンライン経済メディアcash.chは、米ブルームバーグ通信が今月上旬に配信した日本語記事「日本の若い世代、インフレで株式投資に前向きに 新NISAに関心外部リンク」をドイツ語で転載しました。

記事はブルームバーグ通信の原文と同じですが、cash.chが独自につけた序文は「インフレのせいで、日本ではこれまで忌避していた投資手法である株式市場に活路を見出す若者が増えている。国もこれを支援している」。文中に「貯蓄から資産形成への道筋が見えてきた」「株式ブームに乗るユーチューバーと新興企業」との小見出しも入れ、インフレの機を捉えようとする国や民間の姿を強調しました。(出典:cash.ch外部リンク/ドイツ語)

社会目的に役立つスポーツ「スポGOMI」

ゴミ拾いを競技にした「スポGOMI外部リンク」の初の世界大会が22日、東京都渋谷区内で開催されました。計21カ国63人が参加し、3人1組のチームが地域内を歩いてごみを集めました。スイスは出場しませんでしたが、ドイツ語圏の日刊紙NZZが特集し、それを引用する形でイタリア語圏の地域紙コリエーレ・デル・ティチーノも報じました。

NZZは「スポGOMIが日本発祥であることは偶然ではない」と強調。教育的価値を追及して柔道が誕生し、戦後に学校・病院建設の資金に充てるため競輪を発明するなど、「日本には、社会的な目的にも役立つスポーツを発明してきた誇り高い歴史がある」と紹介しました。

同時に「日本は清潔さと秩序を重視することで知られている」ことも説明。神道が清潔さを大切にしていること、近藤麻理恵さんの片づけ本が世界的ベストセラーになっていること、国際試合では日本の応援団が試合後にスタジアムを清掃することなどを例に挙げました。

コリエーレ・デル・ティチーノは、参加者たちが大会を通して収集技術を比較し、アドバイスを交換したと解説しました。「スポゴミのような新しい分野では、誰もが学ぶべきことがまだたくさんある」という大会の意義を指摘し、「2025年のワールドカップにはスイスチームも出場するかもしれない」とコメントしました。(出典:NZZ外部リンク/ドイツ語、コリエーレ・デル・ティチーノ外部リンク/イタリア語)

先週のスイスのニュース

先週、最も注目されたスイスのニュースは「スイス公共放送協会、受信料削減なら900人解雇」(記事/日本語)でした。他に「一部のスイス企業、社員の卵子凍結費用を負担」(記事/日本語)、「Wealthy Switzerland seeks to host low-budget Winter Olympics」(記事/英語)も良く読まれました。

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現在、英語圏の読者から「プラスチック製の紙幣はどうだろう?」「残念ながら、スイスの紙幣は僕の手元には長く残らない」といったコメントが届いています。


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次回の「スイスで報じられた日本のニュース」は12月4日(月)に掲載予定です。

校正:大野瑠衣子

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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