
スイス消費者保護団体、預金保険の強化を提唱 CS危機受け

スイスの消費者団体「消費者保護基金」はクレディ・スイスの経営危機を受けて、銀行預金保険制度の強化を求めている。
現行制度では、スイスの銀行が倒産した場合、最大10万フラン(約1480万円)の預金が保険でカバーされる。破綻した銀行が預金を返せなくなった場合に、参加銀行が拠出するプール金「esisuisse外部リンク」から保険金が支払われる。拠出額は保護対象の預金の1.6%をカバーするよう設定され、現在は80億フランが積まれている。
消費者保護財団のサラ・シュタルダー理事長は11日に発表した声明外部リンクで、これでは不十分だと指摘した。「将来の銀行危機を政府の支援策なしで乗り越えたいなら、銀行自体が安定を確保しなければならない」
具体的には、esisuisseへの拠出金の大幅増額を求めた。「預金保護への信頼を高めるには、1.6%では全く足りない」(シュタルダー氏)。保護額の引き上げも提唱。「銀行危機が顕在化した際の顧客資金の流出を抑えるだけでなく、普通預金の有価証券へのシフトを抑える」と強調した。
消費者保護基金は以前、当局に対し銀行の「Too big to fail(大きすぎて潰せない)」規制を改善し、クレディ・スイス経営陣へのボーナス支払いを取り消すよう求めていた。
政府はクレディ・スイスに対し、幹部級へのボーナスを凍結または削減するよう指示した。
スイス上下院は今週、銀行危機に至るまでの経緯を調査し、スイス金融センターを取り巻く法整備について議論する特別審議を開いている。

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