
ネスプレッソ、堆肥化できる紙製コーヒーカプセルを導入

スイスの食品飲料大手ネスレの子会社「ネスプレッソ」は来年、自宅で堆肥化できる紙製のコーヒーカプセルをスイスとフランスで試験的に導入する。
ネスプレッソのギョーム・ル・クンフ最高経営責任者(CEO)が21日、AFP通信の取材に明らかにした。2024年には他の市場にも拡大する方針という。
同社は家庭用コーヒーメーカー、コーヒーカプセル、付属アクセサリーを製造する。
圧縮紙パルプを使った紙製カプセルは3年かけて開発。既存のアルミ製に置き換わるものではなく、使用済みカプセルを回収ボックスや店舗に持ち込むよりも堆肥化したいと思う人に「代わりの選択肢」を提供することが狙いだという。
使用済みのアルミ製カプセルは、ネスプレッソ店舗に返却すればリサイクルできるが、そのままごみ箱に捨ててしまう人が多く、年間数千トンの廃棄物が発生していると批判されている。
ネスプレッソはネスレ最大のブランドの1つ。2021年の売上高は64億フラン(当時のレートで約7680億円)に達し、最も収益性の高いブランドの1つでもある。新型コロナウイルス感染症の大流行時、売上が急増したが、その後伸び悩んでいた。
カプセル式コーヒーを販売する米キューリグやスイス小売り最大手ミグロなど、他社でも堆肥化可能なコーヒーカプセルの試験導入が始まっている。ミグロは9月、藻類でできた薄いフィルムで覆われた圧縮コーヒーボールの販売を開始した。
英語からの翻訳:シュミット一恵
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