スイス、ウクライナへの貿易制限延長を検討
スイスはロシア制裁に加え、紛争で使用される可能性のある物品のウクライナへの輸出も禁止している。スイス連邦政府は、ウクライナへの貿易制限を法律に明文化し、今後も同国への措置を維持する方針だ。
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スイスは欧州連合(EU)の対ロシア制裁をほぼ全面的に採用している。しかし中立性を確保するため、ウクライナとの貿易も制限している。
スイスの対ロシア制裁は禁輸法に基づく措置。しかしウクライナに関しては対応する法的根拠が存在しないため、スイス連邦内閣は憲法に基づく非常事態権限を行使し、政令を発布している。
ベルン大学憲法・国際法教授のイェルク・クンツリ氏は、対ロシア制裁に関してはスイスはEUに追従した一方で、中立性に関しては一切の譲歩を拒否していると指摘する。「したがって連邦内閣は、ウクライナにも不利益をもたらす形で、戦争関連物資への制限を導入せざるを得なかった」
ヘルメットと燃料
EUの対ロシア制裁は戦車、弾薬、戦闘機などの軍事装備だけでなく、より広範ないわゆるデュアルユース物品も含む。デュアルユースとは、民間用途と軍事用途のどちらでも使用可能な、技術・製品・ソフトウェアなどを指す。
EUの制裁は、こうした物資がロシアに渡るのを防ぎ、ロシアにウクライナ侵略戦争を終結させることを目的としている。しかし、スイスはウクライナにも同様の貿易制限を課している。
対象品目には防弾チョッキ、ヘルメット、迷彩ネットに加え、特定の航空燃料や化学物質も含まれる。
スイス政府は、そうする以外に選択肢がないとしている。スイスは中立法に基づく平等待遇原則により、国際武力紛争の当事国双方に対し、戦争関連物資の輸出・通過に関して平等に扱う義務があるからだ。
クンツリ氏は、明らかな侵略戦争という状況下において、こうした論理が展開されることは理解できないと語る。スイスは国連憲章の武力行使禁止規定に照らして中立性を解釈できるはずだと指摘する。そうすれば、政府は両国への制裁を「戦争物資法」に基づく武器輸出禁止に狭めることができるとし「それは中立性の基本原則に照らし、間違いなく正当化できる」と語った。
さらにクンツリ氏は、侵略国であるロシアはEUのアプローチと同様、禁輸法に基づく広範な制裁対象となり得ると補足した。ウクライナはスイスから軍需物資の供給を受けないが、その他の全物品の取引は可能だとした。
国内の反応は?
しかし政府の見解は異なる。4年間の緊急権限行使を経て、ウクライナに対する緊急制裁を正式な法律として制定し、議会に提出する意向だ。法案は現在、意見聴取手続きの段階にある。
最近の世論調査によれば、スイス国民はウクライナに人道支援だけでなく軍事支援も行うことに前向きだ。ウクライナ制裁法に関する意見聴取手続きで、政党・団体・企業・一般市民が政府提案の法案を支持するかどうかが明らかになりそうだ。
英語からのDeepL翻訳:宇田薫
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