ビットコイン・スイスはスイスやリヒテンシュタインでの銀行業など新事業に向け、5千万フラン(約55億円)を目標に資金調達を始める。資金の集まり具合は、新型コロナ危機下での投資家心理を測るリトマス試験紙になりそうだ。
このコンテンツが公開されたのは、
既に約2千万フランを調達した。資金調達を仕切るのはシュトゥーダー・ファミリー・オフィス。ビットコイン・スイス外部リンクの時価総額は2億7500万フランで、6月中旬までに株式の最大2割を売却して資金を集める。
スイスの「クリプト・バレー(暗号の谷)」と呼ばれるツークで2013年に創業した同社は、昨年スイスで銀行業・証券取引業の許可取得を検討すると発表した。事業拡大計画を実現するために、市場から4600万フランを調達し資本金を1億フランに増やすのが目標だ。
成長期待
ビットコイン・スイスの創業者兼会長のニクラス・ニコライセン氏は、自身の「人生をかけた事業」は「長い道のり」にあると語った。今回の資金調達により、同社が「指数関数的に成長を続け、国境を越えた銀行業ライセンスで事業拡大する」のに役立てたいという。
ビットコイン・スイスは145人の社員と約10億フランの顧客の暗号資産を抱え、フラン建ての「安定した」債券や、ワールドラインと提携し暗号通貨による決済事業などを進めている。昨年の売上高は2000万フラン超と、ビットコイン取引がブームだった2017年から半減した。
新型コロナウイルス危機で国際金融・経済が不透明さを増しているが、スイスの暗号資産業界に対する投資意欲は消えていない兆候がある。この数週間でクリプト・ファイナンスは1400万フランを調達し、Taurusは数千万フランに資本金を引き上げた。
おすすめの記事
「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。
もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
おすすめの記事
製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大手製薬ノバルティスは22日、2025年で任期満了となるヨルク・ラインハルト取締役会長の後任に、ジョバンニ・カフォリオ氏を選出すると発表した。
もっと読む 製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
おすすめの記事
スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
このコンテンツが公開されたのは、
エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。
もっと読む スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
おすすめの記事
スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)は17日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)の資産を追及する主要7カ国(G7)の国際作業部会には参加しないことを決めた。
もっと読む スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
おすすめの記事
米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
このコンテンツが公開されたのは、
米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。
もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
おすすめの記事
チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒの春祭り「セクセロイテン」が15日開かれた。巨大な「雪男」を燃やして夏の天気を占う恒例行事は強風により中止となった。
もっと読む チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
おすすめの記事
スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。
もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
おすすめの記事
新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州の約2億4200万年前の地層から新種のイカの化石が見つかり、「Chuchichäschtli(クッヒカーシュトリ、スイスドイツ語で『食器棚』)」と名付けられた。
もっと読む 新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
おすすめの記事
スイスのサマータイム廃止はいつ?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで夏時間(サマータイム)が始まった。3月31日午前2時にすべての時計の針が1時間ジャンプし、午前3時を指した。だが夏時間制はとうの昔に廃止されるはずではなかったのか?
もっと読む スイスのサマータイム廃止はいつ?
続きを読む
おすすめの記事
スイスでICOが半減 1割は違法案件
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融規制当局は昨年、反マネーロンダリング(資金洗浄)規制に違反したとして、仮想通貨を使った資金調達「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」を8件告発した。複数あった。
もっと読む スイスでICOが半減 1割は違法案件
おすすめの記事
ツェルマットでビットコイン納税スタート スイスで2番目
このコンテンツが公開されたのは、
スイスを代表する観光地ツェルマットは28日、仮想通貨ビットコインで納税できるようにすると明らかにした。スイスでビットコイン納税を導入する2番目の自治体となる。
もっと読む ツェルマットでビットコイン納税スタート スイスで2番目
おすすめの記事
スイスのブロックチェーン企業、3年連続で増加
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのブロックチェーン業界が拡大を続けている。2019年末時点で関連企業数は842社(リヒテンシュタインを含む)と、前年から100社近く増えた。増加は3年連続だが、勢いには陰りも見える。
もっと読む スイスのブロックチェーン企業、3年連続で増加
おすすめの記事
世界初の仮想通貨銀行がスイスで営業開始
このコンテンツが公開されたのは、
世界初の仮想通貨銀行SEBAが12日、スイスのツーク州で開業した。年末までに3ケタの国内口座の開設を狙い、世界展開と1億フラン(約110億円)の資金調達を目標にする。
もっと読む 世界初の仮想通貨銀行がスイスで営業開始
おすすめの記事
世界初の仮想通貨銀行 透けて見えるスイスの意地
このコンテンツが公開されたのは、
スイス金融当局から銀行業の許可を得て、世界初の仮想通貨銀行への一歩を踏み出したSygnum。仮想通貨と従来型金融の世界をつなぐ架け橋になる、と創業者たちは業界の盛り上がりに期待を寄せる。暗号資産分野で世界の主導権を握りたいスイスにとっても大きな節目となりそうだ。
もっと読む 世界初の仮想通貨銀行 透けて見えるスイスの意地
おすすめの記事
フェイスブックの仮想通貨プロジェクト スイスの位置づけは?
このコンテンツが公開されたのは、
交流サイト大手の米フェイスブックが仮想通貨プロジェクトの詳細を発表した。スイス・ジュネーブに設立されたリブラ協会はどのような位置づけを占めるのか。
もっと読む フェイスブックの仮想通貨プロジェクト スイスの位置づけは?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。