The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

フラン高、スイスの飲食店に大打撃 廃業数が記録的な多さに

ルツェルンのレストラン
ルツェルンのレストランで客を呼び込むシェフの人形。かえって客を遠ざけているのかも? Keystone

スイスでは2017年、前年の3倍以上の数のパブやレストランが閉店した。フラン高が主な要因となり、倒産件数が前年比4.4%増える一方、新規開業は25%減った。

 業界団体ガストロスイス外部リンクと信用調査会社クレジットリフォーム外部リンクによる共同調査を、独語圏の日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥング外部リンクが27日報じた。17年は飲食業約2220店がデータベースから消え、684店が破産した。新規開業は2048店にとどまり、856店の純減となった。

外部リンクへ移動

 ガストロスイスのカシミール・プラッツァー会長は、閉店数が多くなった理由にフラン高と投資の先送りを挙げる。特にティチーノ州、ベルン州、ジュネーブ州、ルツェルン州、チューリヒ州でこうした傾向が強かった。

 プラッツァー会長は「フラン高は山や田舎、国境付近の地域で業界に大きな打撃を与えている」と話す。飲食業界はもともと利幅が小さく、フラン高で観光客が減り売上が伸びなかったという。

 後継者不足ものしかかる。労働時間が長く儲けの少ない飲食店の跡を継ぎたい子供は少ないという。

 同紙は、食習慣が変わり昼食にかける時間が減ったことも理由の一つとして指摘した。

おすすめの記事
セールが行われているショーウィンドウの前を歩く女性

おすすめの記事

スイスの肉はなぜ高いのか?

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランで隣国のドイツよりも2倍の価格を提示され、驚く人は多いだろう。世界貿易機関(WTO)によると、その大きな価格差の理由は食品への高い関税にあるという。  昨年の輸入農産物の関税率は平均30%以上。WTOの5月の報告書によると特定の野菜や肉製品、酪農品によっては関税率が100%のものもみられたという。  食品と飲料の高い関税率は、隣国の農家よりも比較的小規模であるスイスの農家を保護するためだ。

もっと読む スイスの肉はなぜ高いのか?

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

オリーブの木

おすすめの記事

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部