確定申告書の上は、社会保険料の控除だけが職業に関わらず同じ割合だ
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チューリヒ州経済労働局が2018年の年次報告書をまとめた。「スイス賃金総覧」と題する報告書は、スイスの給料事情を概観する強力な指標だ。
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給料が高いことで知られるスイスだが、実際にスイス人がどれくらい稼いでいるのか、具体的な収入を把握するのは難しい。同じ職業でも地域や性別、経歴、学歴によって大きく異なるからだ。
そのなかで、賃金総覧は全国9400人の収入データをまとめており、スイスで支払われる給料の代表的な絵姿をつかむことができる。とりわけ気になる職業10種の懐具合を見てみよう。
1) 外交官
2) 軍隊訓練官
2006年に比べ22%賃金が上がった軍隊訓練官は、賃金上昇幅が最も大きい職業の一つ。現在の月収は8192フラン
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3) 小学校教諭
小学校教諭も06年比で36.4%賃金上昇率が上がり、平均月収は6981フラン。ただ州によって差が大きい
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4) ジャーナリスト
ジャーナリスト歴3年の月給は平均6440フラン。ただ業界の「推奨額」にすぎない
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5) 助産師
連邦統計局によると、全職業の月給の中央値は6189フラン。助産師の月6229フランという収入は、この中央値にかなり近い
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6) 左官工
一般的に「とび職」の給料は低いとされる。だがスイスではそうとは限らない。4年以上経験を積んだ左官工なら月に平均5553フランを稼ぐ
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7) 保育士
保育士も06年比で32.7%と大きく給料が上がった。チューリヒ州では平均月収4977フラン
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8) 大工
大工は06年から給料が下がった数少ない職業の一つで、5.3%減った。資格のある大工の月給は4435フラン
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9) 書店員
左翼政党や労働組合は全ての職業の最低賃金を月4000フランにするよう求めている。書店員の初任給はちょうどこの額だ
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10) タクシー運転手
タクシー運転手も収入が大きく下がり、06年で15.4%減った。現在の平均月収は3200フランと最も低い
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国外からみれば、どんな安月給でもスイス人が羨ましいかもしれない。だがスイスでは生活費も極めて高く、月6000フラン稼いでも湯水のようにお金を使えるわけではない。
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スイス人は欧州諸国に比べてずっと高給取りだ。それも30歳で月6千フラン(約69万円)。外国人から見れば夢のような数字だが、生活費や税金を考慮すると、実はそうでもない。
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(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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