シュヴィーツ州にある地対空ミサイル
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昨年のスイスの軍需製品の輸出は対64カ国、4億4660万フラン(約513億5900万円)に上り、輸出額は前年に比べ8%増加した。一方、連邦経済省経済管轄局(SECO)が27日、発表した。
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2017年の輸出額全体は1%減った。そのうち軍需製品は0.15%で前年比0.01ポイント上昇した。ただ統計でさかのぼれる1983年以降では最低水準にある。
最も規模が大きかったのはタイへの対空防衛システム(8760万フラン)。ドイツへの弾薬類および関連部品(7830万ドル)、ブラジルへの防空システム射撃管制装置(3290万フラン)が続いた。
大陸別では、対アジアが前年比26.6%増と全体を押し上げ、軍需輸出額の28.4%を占めた。対米も前年比39.08%増えた。対欧州はアジアなどが伸びた影響で51.9%から49.8%に減った。
スイスの軍需製品の主要な輸出相手国は以下の通り。
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これ以外で目立つのは、インド(890万フラン)、パキスタン(660万フラン)、サウジアラビア(480万フラン)。日本は拳銃用の弾薬など約13万7千フランで、対64カ国中43位。全64カ国の詳細な一覧はこちら外部リンク(独語)へ。
現在、国内の軍需企業は武器輸出の規制緩和を国に求めているが、人権団体アムネスティ・インターナショナル・スイスはこれに反発。同団体は声明で「紛争や深刻な人権侵害が起きている国に武器を輸出していて、さらにその規制を緩めるというのは皮肉でもあり無責任だ」と批判した。
スウェーデンのシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」が世界の武器輸出に占める各国の割合をまとめた調査「世界最大の武器輸出国トップ25」によると、2012~16年ではスイスは1.0%で14位。ただ数値は1位の米国(33%)、2位のロシア(23%)が抜きん出ており、この2カ国だけで全体のほぼ半分を占めた。
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