ローザンヌ国際バレエコンクールで優勝したマルコ・マシャーリさん(17)は、受賞直後の舞台上のインタビューで、ある日本人出場者の名前を口にした。けがのため途中棄権した山田ことみさん(17、兵庫県宝塚市出身)だ。
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マルチメディア・ジャーナリスト。2017年にswissinfo.ch入社。以前は日本の地方紙に10年間勤務し、記者として警察、後に政治を担当。趣味はテニスとバレーボール。
2人は同じモナコ王立プリンセス・グレース・アカデミーで学ぶ仲間。今回のコンクールに向け、切磋琢磨しあってきた。
だが山田さんは準決勝の前日、コンテンポラリーのレッスン中に左足の小指を骨折。全治約1カ月のけがを負い、棄権を余儀なくされた。
そんな山田さんの悔しさを晴らすかのように、完璧な踊りで頂点に立ったマシャーリさん。舞台上のインタビューの最後、自ら「この賞を捧げたい特別な人がいます」と切り出し「美しいダンサーで僕のクラスメート、ことみ。彼女はけがで決勝に出ることができなかった。この舞台で踊るために、彼女は本当に努力してきたんです。だからことみ、これは僕たちのメダルだよ」と胸にかかげられたメダルを客席にぐっと向けた。
客席にいた山田さんは「嘘やろって、涙がぶわーっと流れてきました。一緒に頑張ってきた仲間が優勝して、本当に言葉にならないくらい嬉しい」と話した。
授賞式後のバックステージでは、マシャーリさんが山田さんの首にメダルをかけてあげ、笑顔で記念撮影に応じていた。
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