The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

アジョワ地方のサン・マルタン祭 豚一頭食べ尽くしの伝統

先週末、スイス西部ジュラ州のアジョワ地方では、サン・マルタン祭が最高の盛り上がりを見せた。約10品もの豚肉料理から成るフルコースを出すレストランのほとんどは「満席」になった。

9日、アジョア地方の文化的中心地ポラントリュイの町に手工芸品や特産品の市が立ち、サン・マルタン祭が幕を開けた。第22回サン・マルタン・マルシェ外部リンクのテーマは「かわいい豚さん」。今回の主賓に選ばれたのはヴォー州のボンヴィラール地方だ。

サン・マルタン祭は毎年11月の第2週末に祝われる。はるか昔から伝わる伝統の祭りだ。収穫などの農作業が終わると、農夫たちは農繁期の終わりを祝って豚をつぶし、薫製保存できる部位を除いて、残さず食べた。

祭りシーズンの台所

今では、この伝統は盛り沢山のフルコースを食べる口実になった。そういうわけで、豚は耳から尻尾まで丸ごと食べられてしまう。カロリーの過剰摂取は明々白々だが、そこに罪悪感は少しもない。

この時期、アジョア地方の肉屋やパン屋は、サン・マルタン祭に出される豚の血入りソーセージやクリームチーズのタルトを、レストランや地元の商店に卸したり、個人客に売ったりするのに大忙しだ。

サン・マルタン祭の祝い方

サン・マルタン祭の常連も初めて祭りに参加する人々もどんどん増え、「サン・マルタン祭を祝う」ためにレストランにひしめく。健康に良い食事や肉を摂らない食事を推奨する時勢とは真っ向から対立する豚肉の祭典だ。祭りでのカロリー摂取量は1日に必要なカロリーの数日分に相当する。

コース料理の内容は伝統やレストランによって様々だ。しかし、サン・マルタン祭の常連にとって欠かせないのは、豚コンソメのスープ、自家製ジュレ(豚肉のパテのゼリー寄せ)、クリーム入りブダン、アトリオ(豚レバー入りソーセージ)やソーセージのロースト、ロースト・ポークのレシュティ(粗くおろしたジャガイモをこんがり焼いたスイスドイツ語圏の料理)添え、シュークルート・ガルニ(塩漬けキャベツの千切りとハム、ベーコン、ソーセージの煮込み)、ストゥリフラート(渦巻き状の甘い揚げパン)、トッチェ(酸味と塩味が特徴のクリームチーズタルト)だ。

豚肉料理を堪能した後は、強いお酒が好きな人はダマシン(スモモの蒸留酒)に酔いしれることもできる。消化を促進する効果のあるウイキョウのハーブティーもよい。あるいは、摂取したカロリーを消費するために15時間ほど市場で過ごすのもありだ。ここ数年、地元の特産品などが並ぶ市場はますます盛況だ。

正真正銘の郷土料理

サン・マルタン祭の成功は、地元の特産品を再発見し、その土地のアイデンティティーと結びつけ、ともに飲み食いして分かち合う大切さを物語っている。出遅れた人は、17日と18日に開催される「レヴィラ」ならご馳走にありつけるかもしれない。

おすすめの記事
カーニバル

おすすめの記事

文化

風習・祭り

このコンテンツが公開されたのは、 カーニバルからヨーデルフェスティバルまで、スイスの風習や伝統は州によって多彩に異なる。 バーゼルのカーニバルで騒々しい不協和音の音楽を奏でるグッゲンミュージックの音楽隊(写真)、ベルンの玉ねぎ市、アルプスの山村で開催され…

もっと読む 風習・祭り


人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

戦闘機

おすすめの記事

スイス、軍事プロジェクトの品質管理を外注へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの17件の主要軍事プロジェクトが、2026年初めから外部コンサルタントによる監査対象となる。これにはF-35戦闘機の調達も含まれる。

もっと読む スイス、軍事プロジェクトの品質管理を外注へ
煙の立ち上る原子力発電所

おすすめの記事

スイスの政治

スイス・ゲスゲン原発、再稼働はさらに半年延期

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北西部のゲスゲン原子力発電所の運転再開がさらに6カ月間遅れることになった。定期検査が行われた5月下旬以降、発電を停止している。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、再稼働はさらに半年延期
会見に応じるスイスのカシス外相とイタリアの外相

おすすめの記事

スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府のイグナツィオ・カシス外相は19日、ウクライナ情勢を巡る和平交渉について、スイスはロシアとウクライナの首脳会談を開催する「準備は万全」と述べた。

もっと読む スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
ドナルド・トランプ大統領

おすすめの記事

世界貿易

トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに

このコンテンツが公開されたのは、 スイスに対し39%の関税を発表する前日の7月31日、ドナルド・トランプ大統領がカリン・ケラー・ズッター大統領との電話会談で、米国への「投資」ではなく直接的な金銭支払いを要求していたことが分かった。大衆紙ブリック日曜版が報じた。

もっと読む トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
大西卓哉飛行士

おすすめの記事

宇宙研究

国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献

このコンテンツが公開されたのは、 日本製とドイツ製のロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)で「宝探し」をして遊んだ。スイス・ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)もこの実験に貢献した。

もっと読む 国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
ジュネーブのトラム

おすすめの記事

気候適応

ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増

このコンテンツが公開されたのは、 ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。

もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部