スイスの視点を10言語で

ウエリ・シュテック~生死の稜線上で~⑯

アンナプルナで3度目の挑戦が始まった。今回はカナダ人登山家のドン・ボウイがパートナーだ。ところがスタートするやいなや、ボウイは急に一緒に行かないと言い出した。シュテックは一人で岩壁の登はんを目指した。

山はこれまでにないほどコンディションが良く、シュテックは登頂達成に意欲を高める。体調を崩していたドン・ボウイはなんとか回復するが、スタートと同時に登はんを断念。シュテックは一人で巨大な壁に向かうことを決心する。

アンナプルナの岩壁では風が吹きすさび、危険な雪崩も発生していた。あうやく滑落しかけたシュテックは、必死にピッケルで自分を支え、嵐をやり過ごす。すると突如、頭の中のスイッチが入った。この状況を受け入れよう。もう家に帰れないなら、それでいい――。

「ウエリ・シュテック~生死の稜線上で~」

2020年5月21日にドイツ語圏のスイス公共放送で放送されたスイス人登山家ウエリ・シュテックのドキュメンタリー番組(約1時間35分)。

2017年春にエベレストで滑落し、40歳の若さで亡くなったシュテック。人間離れした登山スピードと卓越した登攀技術から「スイスマシーン」と呼ばれ、数々の新記録を打ち立てた。番組ではそんなシュテックの半生を本人や家族、友人のインタビューと共に振り返る。

スイスインフォでは同番組を5分ずつに分け、日本語字幕付きで水・土曜日の週2回配信する。

※日本語字幕付きで視聴される方は、画面の字幕設定をオンにしてご覧ください。

おすすめの記事
テント内の男性

おすすめの記事

ウエリ・シュテック~生死の稜線上で~⑮

このコンテンツが公開されたのは、 無防備に8千メートル級の山に挑むことが、どれだけ危険なことなのか、ウエリ・シュテックは過去にアンナプルナで痛感している。

もっと読む ウエリ・シュテック~生死の稜線上で~⑮

(本文&独語からの翻訳・大野瑠衣子)

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部