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カシス大統領、岸田首相と会談 「民主主義や法に基づく国際秩序を支持」

握手を交わす男性
イグナツィオ・カシス大統領は初めて日本を訪問し、岸田文雄首相と会談した Keystone / Kimimasa Mayama / Pool

スイスのイグナツィオ・カシス大統領が18日、日本の岸田文雄首相と官邸で会談し、両国が民主主義や法の支配、多国間主義、規則に基づく国際秩序を支持していくことを確認した。

スイス連邦外務省は声明外部リンクで、カシス・岸田両氏は会談で共通の価値観に基づく良好な二国間関係を確認したと明らかにした。

カシス氏は「私たちは、これらの原則に対して疑問が生じる場面が増えていく時代に生きている。そのために共に立ち上がることはさらに重要になっていく」と述べた。

ウクライナでの戦争に関しては、ヨーロッパとアジアの安全保障上の課題を中心に意見が交わされた。岸田氏はロシアの侵略がヨーロッパだけでなくアジアにおける国際秩序の基盤を弱体化させたと指摘し、「今こそ、国際社会がこれまで以上に団結する時だ」と述べた。

このほか、国際機関での協力や貿易、投資、科学、デジタル化の分野でのパートナーシップの強化について意見が交わされた。外務相を兼任するカシス氏は、林芳正外相とも会談した。

アジアで2番目の貿易相手

日・スイス国間の貿易額は年間約120億フラン(約1兆6千億円)に上り、スイスにとって日本はアジアで中国に次ぐ第2の貿易相手国(貴金属を除く)だ。2009年から自由貿易協定(FTA)を結んでいる。カシス氏はスイスの立場からFTAの近代化が望ましいとの主張を繰り返した。

研究協力を巡っても日本はスイスの重要なパートナー国だ。共に2023~24年の国連安全保障理事会の非常任理事国に立候補している。

カシス氏は大阪や京都も訪問する。大阪はスイスの教育、研究、革新のネットワークとして機能するスイスネックスが拠点を置き、2025年の大阪万国博覧会にはスイスも出展予定だ。京都では科学協力に重点を置く。財界・科学界の代表団も同行している。

(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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