スイス・日本首脳会談 貿易協定改定に向けて検討へ
スイスのギー・パルムラン大統領は24日、東京で日本の菅義偉首相と会談し、貿易や研究分野など二国間関係について意見交換を行った。パルムラン氏は会談後、スイスと日本の経済的な結びつきは強く、関係は良好だと述べた。
経済相を務めるパルムラン氏は会談で、2009年に締結した二国間の自由貿易協定(FTA)を更新する必要があると強調。特に日本が欧州連合(EU)との貿易協定を結んだ今、(EUに加盟していない)スイスの市場アクセスを向上させることが重要だと話した。菅氏は、そのための機会を検討する用意があると述べた。
また菅氏は、日本産食品に対する輸入規制措置撤廃に関し、欧州内での理解促進についてスイスの協力を求めた。
日本はスイスにとってアジアで2番目に大きな貿易相手国。新型コロナウイルスの流行により協議が遅れていたが、今後、技術的事項について協議をスタートさせる。
会談の中でパルムラン氏は、23日に開幕した東京五輪について、ホスト国としてオリンピックの理念にコミットメントを示す日本の姿勢を称賛した。パンデミックに対する国際協力や国内対策についても意見を交わした。
またパルムラン氏は大阪に新しく開設された領事館についても触れ、喜びの意を示した。同館にはスイスの教育、研究、革新のネットワークとして機能するスイスネックスも拠点を置く。スイスネックスは2022年に操業を開始する予定で、両国の研究者やスタートアップ企業の協働促進を図る。
日本は、スイスの「外交戦略2020~23」で優先国に位置づけられている。
会合をキャンセル
菅氏との会談は、パルムラン氏が日本滞在中に行った最初の公式会合となった。同氏は飛行機の技術的トラブルにより東京到着が遅れたため、23日に予定していた天皇陛下との面会や茂木敏充外相との会談をキャンセルした。
五輪の開会式には間に合い、予定通り参加した。
パルムラン氏は24日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長や、地域経済問題の専門家とも面会した。
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