価格監督官は、スイスの患者に処方されているジェネリック医薬品(後発薬)が少なすぎると指摘する
© Keystone / Gaetan Bally
スイス当局によると、スイスのジェネリック医薬品(後発薬)は他の欧州諸国に比べ約2.7倍高い。
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シュテファン・マイヤーハンス価格監督官が19日発行のニュースレター外部リンクで指摘。連邦議会に対し、価格参照制度の導入案を可決するよう求めた。同システムにより、年間4億フラン(約480億円)を節約できると試算する。
監督官は特許が失効した20件の有効成分の価格を15カ国と比較した。スイスではジェネリック医薬品の販売価格が他の15カ国平均の165%高く、先発品でも64%高かった。
スイスで同じ薬を使って治療するのにかかる費用は、最も安いスウェーデンやデンマーク、英国の5倍だという。
スイスの保険・製薬業界団体サンテスイスやインターファーマも5月、スイスの医薬品価格の高さを批判した。為替レートが価格差に影響することは認めながら、参照価格制度の導入を政府に求めた。
参照価格制度は利用可能で最も安いジェネリック医薬品の価格に基づいて保険給付額を決め、先発医薬品との差額を患者が負担する仕組み。欧州では20カ国以上が導入している。
スイスでは連邦政府が制度導入を提案しているが、昨年10月に国民議会(下院)が否決。今月末にも全州議会(上院)の保健委員会で議論が始まる見込み。
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