The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイスのジェネリック医薬品価格、周辺国の2.7倍

Doctor holds two packets of different drugs
価格監督官は、スイスの患者に処方されているジェネリック医薬品(後発薬)が少なすぎると指摘する © Keystone / Gaetan Bally

スイス当局によると、スイスのジェネリック医薬品(後発薬)は他の欧州諸国に比べ約2.7倍高い。

シュテファン・マイヤーハンス価格監督官が19日発行のニュースレター外部リンクで指摘。連邦議会に対し、価格参照制度の導入案を可決するよう求めた。同システムにより、年間4億フラン(約480億円)を節約できると試算する。

監督官は特許が失効した20件の有効成分の価格を15カ国と比較した。スイスではジェネリック医薬品の販売価格が他の15カ国平均の165%高く、先発品でも64%高かった。

スイスで同じ薬を使って治療するのにかかる費用は、最も安いスウェーデンやデンマーク、英国の5倍だという。

スイスの保険・製薬業界団体サンテスイスやインターファーマも5月、スイスの医薬品価格の高さを批判した。為替レートが価格差に影響することは認めながら、参照価格制度の導入を政府に求めた。

参照価格制度は利用可能で最も安いジェネリック医薬品の価格に基づいて保険給付額を決め、先発医薬品との差額を患者が負担する仕組み。欧州では20カ国以上が導入している。

スイスでは連邦政府が制度導入を提案しているが、昨年10月に国民議会(下院)が否決。今月末にも全州議会(上院)の保健委員会で議論が始まる見込み。

おすすめの記事
シュテファン・マイヤーハンス

おすすめの記事

物価の引き下げに奮闘する連邦価格監督官

このコンテンツが公開されたのは、 スイスには価格監督官という公職があるのをご存知だろうか。消費者にとって不利益になる不当な価格と闘うことが仕事だ。価格監督官とは何者なのか。価格を下げる余地はどこにあると考えているのだろうか。2008年から価格監督官を務めるシュテファン・マイヤーハンス氏(49)に話を聞いた。

もっと読む 物価の引き下げに奮闘する連邦価格監督官


人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

ジュネーブのトラム

おすすめの記事

ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増

このコンテンツが公開されたのは、 ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。

もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
湖に飛び込もうとする男性の後ろ姿

おすすめの記事

スイスで記録的暑さ 政府が警告

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで全国的に気温が上昇し、猛暑への警戒が強まっている。11日にはスイス西部と南部ティチーノ州の一部地域に対し、熱中症など健康被害を受けるリスクが大きい「危険度3」の警報が発令された。

もっと読む スイスで記録的暑さ 政府が警告
作家のアドルフ・ムシュク氏

おすすめの記事

知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞

このコンテンツが公開されたのは、 ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。

もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
詐欺を警告するPC画面

おすすめの記事

スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。

もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
オリーブの木

おすすめの記事

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部