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スイス議会、レオパルト2のドイツへの再売却を承認 

整備中の戦車
今年3月、ベルン州トゥーンで整備中の「レオパルト2」 © Keystone / Peter Schneider

スイス連邦議会は26日、不要になったドイツ製戦車「レオパルト2」25両を退役処分にし、独ラインメタル社に再売却することを可決した。ウクライナに譲渡しないという条件付きだ。

下院に続き、上院でも賛成25票、反対15票、棄権3票で可決された。採決では国民党が反対票を投じ、急進民主党や中央党の一部議員は棄権した。

たとえドイツなど第三国経由であっても、中立国スイスの戦車を紛争当事国であるウクライナに送ることはスイスの軍需品法で禁じられている。ドイツは25両をウクライナに再輸出しないと約束している。ドイツや他の欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の在庫不足を埋めるとみられる。

ドイツのミヒャエル・フリュッガー駐スイス大使はドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)のインタビューで、スイス議会の決定を歓迎。ドイツは「喜び感謝している」と述べた。

ただフリュッガー氏は、スイス製武器の再輸出禁止に対する批判を改めて表明した。ドイツはスイスから多数の武器や部品を購入しており、これらの一部をウクライナに送りたいと考えている。

同氏はSRFに対し、「現在、スイスの法律がこれらの兵器の譲渡を認めていないことは理解している」としたうえで、関連法の改正に期待を示した。改正されなければ、スイスからの兵器・弾薬の輸入を続けるのが「困難または不可能」になるだろうと述べた。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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