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スイス、アフガン亡命者の強制送還を一時停止

Soldier in Afghanistan
11日、押収した違法薬物の焼却を警備するアフガニスタンの治安部隊 Keystone / Ghulamullah Habibi

スイス連邦移民局(SEM)は11日、アフガニスタンへの強制送還を「同国の状況の変化により、追って通告があるまで」停止すると発表した。

難民申請が却下された亡命者に対する国外追放命令は当面下されない。申請者が刑事犯罪を行った合のみ、本国送還手続きを進める。

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アフガニスタン政府は先月初め、イスラム原理主義勢力タリバンの進撃や新型コロナウイルスの流行を受け、難民申請を却下された人の本国送還を3カ月延期するようスイスに要請した。だがスイス政府はこれまで強制送還を続けていた。

難民支援組織は長い間、スイスがアフガニスタンへの強制送還を停止するよう求めていた。ドイツとオランダに続き、スイス難民援助機関(SFH/OSAR)は11日、本国送還の停止を発表した。

ドイツ語圏の日刊紙NZZによると、スイスには168人のアフガン難民が申請を却下され、本国に送還されることになっていた。

タリバンの進撃

アフガニスタンは米国や北大西洋条約機構(NATO)など外国軍の撤退が決まった4月中旬以降、治安が急激に悪化。タリバンは、1週間足らずで国の34の州都のうち5都市を制圧した。

アフガニスタン治安部隊は過去20年、欧州など西側諸国の軍事活動で数十億ドルの資金提供や訓練を受けてきたが、タリバンの攻撃に対処できていない。

アフガニスタン政府高官によると、政府軍は12日、複数の都市周辺でタリバン勢力と戦闘。米国の諜報機関は、首都カブールが90日以内に陥落する可能性があるとしている。

スイスの人道的連帯・収集プラットフォーム「幸福の鎖」は、アフガニスタン危機の影響を緩和するための寄付を募っている。 

「アフガニスタン」と明記し、ウェブサイト(www.glueckskette.ch)またはオンライン決済(口座番号IBAN CH82 0900 0000 1001 5000 6)でご寄付できる。

「幸福の鎖」はswissinfo.chも所属するスイス公共放送協会(SRG SSR)も出資。民間のメディアや企業とも連携している。

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