スイスの視点を10言語で

チューリヒ市の大麻販売プロジェクト、保健庁が承認

スイスの保健当局によると、国内では20万人以上の人が定期的に大麻を吸引している
スイスの保健当局によると、国内では20万人以上の人が定期的に大麻を吸引している © Keystone / Georgios Kefalas

スイス連邦保健庁は、大麻を合法的に試験販売するチューリヒ市のプロジェクトを承認した。

チューリヒ市が22日発表した。同市とチューリヒ精神科大学病院によるプロジェクト「Zuri Can – Cannabis with Responsibility」で、管理下で大麻を供給し消費行動と消費者の健康にどのような影響があるかを調べることが狙い。

連邦保健庁と州倫理委員会に昨年6月、研究許可申請を行い、倫理委員会からは同年8月に許可が下りていた。

保健庁の承認を受け、研究用大麻の製造が可能になる。プロジェクトの生産者が大麻草の有機栽培を開始し、最初の収穫は7月に予定されている。大麻製品の販売開始は今年8月以降を見込む。

試験期間中は、精神作用物質テトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)含有量が異なる9種類の大麻製品を薬局などで提供する。

参加枠は2100人

プロジェクトは登録制で、参加枠は最大2100人。チューリヒ市在住の成人で、定期的に大麻を吸引している人が参加できる。

スイス連邦議会は2020年、大麻の娯楽使用の影響を調べる研究を行うための法改正を可決。昨年、バーゼル市で初めて、約400人が参加するプロジェクトが始まった。

おすすめの記事

英語からの翻訳編集・宇田薫


ニュース

管制室

おすすめの記事

スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。

もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
裁判所のドア

おすすめの記事

「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。

もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
財布からお金を取り出す人

おすすめの記事

スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。

もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
対空防衛システム

おすすめの記事

米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触

このコンテンツが公開されたのは、 米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。

もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
UBSの看板

おすすめの記事

スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。

もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
新種のイカの化石

おすすめの記事

新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に

このコンテンツが公開されたのは、 スイス南部ティチーノ州の約2億4200万年前の地層から新種のイカの化石が見つかり、「Chuchichäschtli(クッヒカーシュトリ、スイスドイツ語で『食器棚』)」と名付けられた。

もっと読む 新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部