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バーゼル市、9月に大麻を試験販売 闇市場と同価格で

大麻
今年5月、ベルンで開催された国際大麻見本市「カンナトレード」で展示された製品 © Keystone / Anthony Anex

スイス北部・バーゼル市で9月15日から、薬局で大麻が合法的に試験販売される。国内初の試みで、登録した最大370人の成人(18 歳以上)が購入できる。

バーゼル・シュタッド準州のルーカス・エンゲルベルガー保健相は18日、当局の指定する薬局9カ所でカンナビノイド製品6種(大麻の花4種、ハシッシュ2種)を販売すると発表した。

薬局での販売価格は1グラム当たり8~12フラン(約1100~1700円)と、精神作用物質テトラヒドロカンナビノール(THC)含有製品の闇市場とほぼ同価格となる。

試験販売事業は4月に連邦保健庁の承認を得た。バーゼル大学、同大精神科クリニック、州保健局が参画している。娯楽目的の大麻使用に関する新規制の影響を調べ、闇市場での流通撲滅に役立てる。

例外的な合法

チューリヒ、ジュネーブ、ベルンなど他のいくつかの地方自治体も、同様の試験販売事業を申請している。スイス連邦議会は20年、娯楽目的の大麻使用の影響を調べる試験事業を行うための法改正を可決した。

保健庁の推定によると、違法大麻の常用者は22万人に上る。医療目的の使用は許可されている。

スイス有権者は08年の国民投票で、大麻消費を非犯罪化するイニシアチブ(国民発議)を否決した。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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