
新種の細菌35種 バーゼル大研究

スイスの病院の患者サンプルから、新種のバクテリア(細菌)35種が見つかった。そのうちの7種はヒトに感染症を引き起こす可能性があることが分かった。バーゼル大学および大学病院の共同チームが8日、発表した。
微生物学者のダニエル・ゴールデンベルガー博士が率いる研究チームは2014年から様々な病気の患者サンプルを収集・分析。血液や組織サンプルから未知の病原性細菌61種が見つかった。
分析には、遺伝子の全塩基配列を決定する方法を使用した。質量分析法や一部の塩基配列を決定する方法など、従来の実験室的手法による分析では成果が得られなかったからだ。特定されたゲノム配列をオンラインツールで既知の菌株と比較すると、35種が新種であることが分かった。
研究者たちの分析によると、そのうち7種がヒトに感染症を引き起こす可能性がある細菌だという。
これらの細菌の多くは皮膚や粘膜に常在している。ゴールデンベルガー氏によると、「そのためこうした細菌は過小評価されがちで、ほとんど研究されていない」。しかし、腫瘍(しゅよう)などが原因で血液中に入り込むと、感染症を引き起こす可能性があるという。
バーゼル大によると、発見された新種のバクテリア2種には、すでに名前が付けられた。そのうちの1種はバーゼルがスイスとフランス、ドイツの国境に位置することにちなみ「Pseudoclavibacter triregionum」と名付けられた。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
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