北京空港で。2020年1月26日撮影
Keystone / Wu Hong
スイスの観光当局は、新型コロナウイルス感染の拡大により、今後数週間でスイスを訪れる中国人観光客の数が30〜50%減少する可能性があると語った。
このコンテンツが公開されたのは、
湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染による新型肺炎で、これまでに中国国内で80人が死亡、感染者は世界で2750人以上に上る(大半は中国国内)。旧正月(春節)の大型連休に伴うウイルス封じ込め対策として、中国は1月27日からすべての団体旅行を中止。国内外の観光産業に影響が出ている。
スイスには毎年多くの中国人観光客が訪れる。冬は中国人旅行者のピークシーズンではないが、観光当局はウイルスの発生が影響を与えると予想する。
スイス政府観光局広報のヴェロニク・カネル氏は27日、スイスの通信社Keystone-SDAに「今後数週間で、スイスを訪れる中国人の数が30〜50%削減すると予想される」と語った。 2018年の数値に基づくと、月に7万~10万人泊に相当する。
中国人旅行者はスイス観光業にとって主要消費者だ。1日1人あたり平均380フラン(約4万円)を落としていく。
主に中国が講じる団体旅行の禁止措置の影響によって、ジュネーブ、ツェルマット、インターラーケン、ルツェルン、チューリヒなど人気の観光地に影響が出るだろう、とカネル氏は指摘する。
ただ、ほかの観光関係者の意見は異なる。スイストラベルセンターのマイケル・メーダー局長は、中国人旅行者のピークは通常4月のため、中国の凍結措置の影響は感じられないと語った。中国からの団体旅行は年間売上高の3〜4%を占め、今週予定されていた2件の団体旅行はすでにキャンセルが入っていたという。
メーダ―氏は「禁止措置の長さにもよるが、解除されたときに顧客が(スイスではない)ほかの行き先の旅行を計画する可能性があるため、そうなればビジネスに影響が出るかもしれない」と語った。
モーベンピックホテル&カジノジュネーブのディレクター、ニコラス・メイラン氏も、影響を評価するには時期尚早だと指摘する。中国からの訪問者は、同ホテルグループの顧客の5〜6%を占める。
一方、スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)は、新型コロナウイルスにより、キャンセルの数が増加していると話したが、詳細は明らかにしなかった。
スイス連邦統計局によると、2018年の中国本土、香港、台湾からの宿泊者は173万人泊で、その3分の2以上が5月~10月だった。
おすすめの記事
おすすめの記事
スイスの患者2人、コロナウイルス検出されず
このコンテンツが公開されたのは、
中国で感染が広がる新型コロナウイルスで、チューリヒ市内の病院は28日、ウイルス感染の疑いで収容していた患者2人について、いずれもコロナウイルスは検出されなかったと発表した。
もっと読む スイスの患者2人、コロナウイルス検出されず
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
おすすめの記事
ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
このコンテンツが公開されたのは、
英国と大陸欧州をつなぐ高速鉄道ユーロスターは、スイス・ジュネーブとロンドンを結ぶ初の直通列車の運行を計画している。
もっと読む ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
続きを読む
おすすめの記事
新型コロナウイルスに効果?特殊な糖分子を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスと英国の研究者グループが、糖の分子構造を改良し、人体に害を与えずにウイルスを殺せる仕組みを完成させた。中国で発生した新型コロナウイルスにも適用できるかもしれないという。
もっと読む 新型コロナウイルスに効果?特殊な糖分子を開発
おすすめの記事
新型コロナウイルス、欧州で中国へのフライト運休
このコンテンツが公開されたのは、
中国で発生した新型コロナウイルス感染拡大を受け、スイスの航空会社などが中国へのフライトを一時運休するなど各方面に影響が出ている。世界保健機関(WHO)は30日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
もっと読む 新型コロナウイルス、欧州で中国へのフライト運休
おすすめの記事
スイスの患者2人、コロナウイルス検出されず
このコンテンツが公開されたのは、
中国で感染が広がる新型コロナウイルスで、チューリヒ市内の病院は28日、ウイルス感染の疑いで収容していた患者2人について、いずれもコロナウイルスは検出されなかったと発表した。
もっと読む スイスの患者2人、コロナウイルス検出されず
おすすめの記事
新型肺炎、スイスが国際的な対応策呼びかけ
このコンテンツが公開されたのは、
中国で感染が拡大する新型コロナウイルスによる肺炎をめぐり、スイスのアラン・ベルセ内務相は、スイスは緊急時の体制は整っているとし、パンデミック(世界的大流行)を防ぐための国際的な取り組みを支援する用意もできていると語った。
もっと読む 新型肺炎、スイスが国際的な対応策呼びかけ
おすすめの記事
コロナウイルス検出キットを開発 スイスの病院
このコンテンツが公開されたのは、
中国で新型コロナウイルスによる肺炎が相次ぐ中、ジュネーブ大学病院が同ウイルスの検出試薬キットを開発した。
もっと読む コロナウイルス検出キットを開発 スイスの病院
おすすめの記事
はしか感染がスイスで急増
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで麻しん(はしか)の感染が急激に広がっている。2019年に入って3カ月足らずで感染数は100件近くに達している。
もっと読む はしか感染がスイスで急増
おすすめの記事
ダニ媒介脳炎の危険 スイスほぼ全域に広がる
このコンテンツが公開されたのは、
連邦内務省保険局はスイスの ほぼ全域にあたる24州を、マダニが媒介する感染症の「危険」地域に指定した。2州のみ指定されなかった。政府は国民に予防接種を受けるよう呼びかけている。
もっと読む ダニ媒介脳炎の危険 スイスほぼ全域に広がる
おすすめの記事
ダニ媒介脳炎の症例が増加 予防接種呼びかけ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦内務省保健局によると、今年はマダニに噛まれてダニ媒介脳炎にかかった人が過去10年で最も多くなった。同局は脳炎の予防接種を受けるよう強く呼びかけている。
もっと読む ダニ媒介脳炎の症例が増加 予防接種呼びかけ
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。