脅威にさらされるタゲリとその生息地
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スイスでは約15年前にほぼ絶滅したとされていたチドリ科のタゲリが「今年の鳥」に選ばれた。鳥類保護団体の「バード・ライフ外部リンク」が選出した。タゲリは日本でも一部の地域でレッドリスト指定を受けている。
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色鮮やかなタゲリは約15年前、ほぼ絶滅したとされていた。1970年代にはつがいが1000ペア存在したが、2005年にはスイス全体でわずか83ペアまで減少。その時から始まった保全措置が実を結び、18年にはつがいの数が206ペアまで復活した。
元々は湿地帯に生息するタゲリだが、20世紀半ばに湿地帯が埋め立てられたため生息地を農地に移した。ところが農地では機械化による集中的な土地の利用や農薬散布が新たな脅威となった。地面に窪みを掘って卵を産むタゲリの習性も、繁殖が危険にさらされる理由の一つだ。
絶滅に瀕したタゲリを救うため、今から約15年前にバード・ライフとスイスの鳥類観察所外部リンクはさまざまな保護プロジェクトを立ち上げた。農民やボランティアと協力し、巣を作り産卵したタゲリは電気柵を設けて捕食者から保護されるようになった。また、自然保護活動家らも農家と密接に協力し、卵と幼鳥の保護に努めている。
こういった努力が実を結び、タゲリの個体数は回復した。しかし人間の保護なしでタゲリが安定して繁殖するには、まだスイスでは個体数が少なすぎるとバード・ライフの関係者は言う。また、「農家と自然保護活動家との協力を改善・強化すべき場所は多々ある」とした。
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