豊かな水にあふれる中央スイスのフィアヴァルトシュテッテ湖(ルツェルン湖)
© KEYSTONE / URS FLUEELER
スイスの水道水やその大部分をまかなう地下水は、良質できれいな状態が保たれている。しかし連邦環境省環境局は今後の汚染を懸念している。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦環境省環境局が行った最近の調査外部リンクによると、スイスの世帯の水道水の8割は地下水(下層の湧き水や井戸)から取水されている。ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)が明らかにした。
こういった水の大部分はきれいだが、地下水井戸の設備が十分に保護されていないと同局は懸念している。
報告書では、インフラや住宅の開発が進む地域では、建物による排水汚染や道路でのガソリン浸出のリスクを無視すべきではないとしている。
バーゼルラント準州で地下水の管理を行う水文学の専門家アドリアン・アウケンターラーさんは、地下水が汲み上げられる地域と工業地区がますます接近していると言う。
「これまでにない新しい状況だ」とアウンケンターラーさんは言う。 「スイスは欧州の中で堀に守られた城のような存在で、資源も無限にあるようなイメージがあるが、実は人口密度の高い国であることを忘れてはいけない」
そして将来的に問題が発生するのを防ぐには、貯水池の増設や飲料水の処理に重点を置くなど、地下水の分野で今から対策を講じる必要があるとした。
しかしそれには多額のコストが伴うため、何十年も先の飲料水の質を確保するため国が今、どれだけ投資する意欲があるかが問題だ。連邦議会はこの問題について来月中にも議論する予定だ。
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
おすすめの記事
ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
このコンテンツが公開されたのは、
英国と大陸欧州をつなぐ高速鉄道ユーロスターは、スイス・ジュネーブとロンドンを結ぶ初の直通列車の運行を計画している。
もっと読む ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
おすすめの記事
スイス政府、金融規制改革の最終案を発表
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦内閣は6日、クレディ・スイス危機を踏まえた金融規制改革の最終案を発表した。自己資本規制を強化し、金融監督局の権限も強化する。
もっと読む スイス政府、金融規制改革の最終案を発表
おすすめの記事
スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難
このコンテンツが公開されたのは、
パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルの「戦争犯罪」に関して、スイスの元外交官55人がスイス外相に共同書簡を送り、スイスの「沈黙と消極性」を非難した。政府に対して直ちに措置を講じるよう求めた。
もっと読む スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難
おすすめの記事
スイスで放射能測定の合同演習
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは2~6日、国際チームがヘリコプターで空中の放射能測定を行っている。緊急時に広い範囲の放射能を迅速にチェックする予行演習だ。
もっと読む スイスで放射能測定の合同演習
おすすめの記事
自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡
このコンテンツが公開されたのは、
自殺カプセル「サルコ」を運営する自殺ほう助団体「ラストリゾート」共同設立者のフロリアン・ウィレ氏(47)が、先月5日にドイツで死去していたことが分かった。
もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡
おすすめの記事
スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部レッチェンタール(ヴァレー州)で28日午後、大きな氷河が崩壊し、大規模な土砂崩れがふもとのブラッテン村を襲った。多数の家屋が倒壊し、1人が行方不明。
もっと読む スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む
続きを読む
おすすめの記事
スイスの飲み水はどこからやってくる?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの飲料水の8割は地下から汲まれた天然水だ。水源は豊富だが、少しずつ汚染されている。
もっと読む スイスの飲み水はどこからやってくる?
おすすめの記事
飲み水が足りない 「欧州の給水塔」スイスに曲がり角
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部のヌーシャテル州アンジュ村では新しい家を建てるのが禁じられている。飲み水が不足しているからだ。専門家はこの村が「賢い」選択をしたと言い、周辺自治体も見習うべきだと話す。
もっと読む 飲み水が足りない 「欧州の給水塔」スイスに曲がり角
おすすめの記事
水資源豊かなスイス 実は大輸入国
このコンテンツが公開されたのは、
スイス人一人当たりの水の消費量は、世界平均をわずかに上回る程度だ。問題は、スイスが使う水の足跡をたどると、大部分を国外に、それも水不足に瀕する国に依存しているということだ。
もっと読む 水資源豊かなスイス 実は大輸入国
おすすめの記事
スイスの化学大手ロンザ、飲料水汚染で起訴
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの化学大手ロンザが、ヴァレー州フィスプの工場から発がん性の疑いがある溶剤を排出して水源を汚染し、連邦水質保護法違反および飲料水の汚染防止義務を怠ったとしてスイスの地方裁判所に起訴された。
もっと読む スイスの化学大手ロンザ、飲料水汚染で起訴
おすすめの記事
毎年50トンものゴミ スイスのレマン湖
このコンテンツが公開されたのは、
スイスとフランスの国境にあるレマン湖には、毎年約50トンのプラスチックごみが流れ込むことが新しい研究で明らかになった。
もっと読む 毎年50トンものゴミ スイスのレマン湖
おすすめの記事
「水が必要です」
このコンテンツが公開されたのは、
ボリビアでは水不足がますます深刻化している。スイスは気候変動の適応策でボリビアの農村地域を支援している。抵抗力の高い品種の作付けや貯水池、堤防の設置などがそれにあたる。
もっと読む 「水が必要です」
おすすめの記事
刻々と進む生物の変化 スイスの湖の底では何が起こっているのか?
このコンテンツが公開されたのは、
最近、「生物多様性」という言葉をあちこちで耳にするようになった。また同時に、その重要性もさかんに訴えられているが、種の多様性が失われるのは本当に問題なのだろうか?
もっと読む 刻々と進む生物の変化 スイスの湖の底では何が起こっているのか?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。