
ボンド村、スイス過去最大級の土砂崩れから1年 8人が行方不明のまま

スイス南東部のグラウビュンデン州ボンド村を襲った大規模な土砂崩れから23日で1年を迎える。土砂崩れに巻き込まれて行方不明になった8人はまだ見つかっていない。
地元関係機関が7月末、8人の捜索活動を行ったが、遺体の発見にはつながらなかった。8人はドイツ、オーストリア、スイス人のハイキング客で、土砂崩れ発生時はボンド村上方のボンダスカ谷にいて巻き込まれたとみられる。
過去100年で最大規模となった土砂崩れは昨年8月23日、チェンガロ山で発生。約310万立方メートルの土砂がボンダスカ谷、さらには下流のボンド村を襲った。この山では2012年にも大規模な土砂災害が起き、その後警報が設置されていた。
今月13日、グラウビュンデン州スタンパで記者会見したギー・パルムラン国防相は国、州、地元自治体機関が協力して救助・復興活動に当たったことに触れ、スイス軍や伝統的な連帯意識の模範を改めて示す好例になったと語った。
グラウビュンデン州政府は、観光客や住民に土砂崩れの危険を知らせるチェンガロ山の警報システムを強化したと述べた。また岩の移動が新たに観測されたとして注意を呼びかけた。
現地のハイキング道は閉鎖されたままになっている。

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