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バブル崩壊以降から現在までの日本経済は、「失われた20年」といわれている。「一億総中流」の意識は崩壊し、大手企業の倒産、就職氷河期の到来、非正規雇用の増加などで「格差社会」という言葉が日本社会にすっかり定着した。しかし、スイスの研究者二人は昨年末、私たちの常識を覆すような論文を発表した。「日本経済はこれまで不況だったどころか、むしろ好調に発展してきた」というのだ。
論文の題名は「Decades not lost, but won」。日本経済の過去20年は「失われた(lost)」のではなく、むしろ「好調だった(won)」と主張するのは、チューリヒ大学東アジア研究所のステファニア・ロッタンティ・フォン・マンダッハ博士とゲオルグ・ブリント博士だ。